阪神新監督は「岡田」再登板か、「平田」昇格の「二つしかあり得ない」 復活を期す藤浪晋太郎は“やきもき”

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岡田氏には、鳥谷氏と球団の仲介役の期待

 岡田氏は阪神が最後に優勝した05年の監督だった。04~08年の任期中は自らが構築した強力リリーフ陣「JFK」を原動力に落合中日、原巨人とセ・リーグ3強として互角に渡り合うなど、手腕には定評がある。1985年の日本一メンバーで、金本知憲氏、矢野氏と外様が続いた監督では12~15年に指揮を執った和田豊元監督以来、8年ぶりの生え抜きOB監督となる。

「球団が推進する外国人選手に依存しすぎない、ドラフトによる生え抜き日本人選手を中心としたチーム編成の観点からも、外れない人選だ」(阪神担当記者)

 さらに、ルーキー時代から正遊撃手に抜てきした鳥谷氏の早大の先輩でもあり、就任すればコーチとして呼ぶことが確実視される。

「鳥谷氏は球団とわだかまりを残したまま阪神を去り、ロッテで引退した。岡田さんなら鳥谷氏と、悪化したフロントとの関係を取り持つことが期待できる」(同)

 一方でフロントにも遠慮せず、ものを言う強面さゆえ嫌悪感を抱く球団幹部が少なからず存在する。

「解説を聞いているだけでも横柄な態度で、我々でも不快感を抱くことがある。関西人にも受けが良くない。球団に反対する声が多いのは分かる」(前出の元監督)

 そのせいか、阪神の監督交代のたびに候補者に挙がるものの、岡田氏の再登板は実現してこなかった。

藤浪は「岡田監督」で萎縮?

 他方、平田2軍監督は対照的な評判だ。

「(明大の先輩の)星野(仙一)さんの監督付広報時代には、星野さんが要人と会っている時などは1時間でも2時間でも横に立って控えていた。知名度は(岡田氏より)劣っていて地味かもしれないが、人当たりの良さで球団幹部の受けはいい。外部招聘するコーチも最小限で済むから新監督就任なら本来かかるはずの経費もあまりかからない。当初から球団で待望論が根強いのが分かる」(元監督)

 今季もウエスタン・リーグ2連覇に向けて突き進むなど、若手育成の手腕は確かだ。岡田氏とともに85年の日本一を経験したが、現役引退後にコーチなどでチームに在籍した長さでは岡田氏をはるかに凌ぐ。球団のビジョンを誰よりも理解しているという強みがある。

 新監督の行方は、選手たちも固唾を飲んで見守っている。誰が監督でも立場が変わらない絶対的なレギュラーならともかく、当落線上にいる選手には死活問題だからだ。中でも藤浪晋太郎投手の反応は注目されている。

 ドラフト1位で入団し、ルーキーイヤーから年連続で10勝以上を挙げるなど順調にエースの階段を上っていたが、精神面が理由の「イップス」とも言われる制球難で長いスランプに陥った。

「新監督の人選を一番気にしている選手ではないか。平田新監督なら2軍での藤浪の苦労を全て知っている。藤浪は8月に1軍復帰後、制球が改善されてきており来季、完全復活を遂げるには最適の監督。逆に岡田氏では萎縮し、元に戻ってしまい、立ち直れずに終わる危険性がある」(元監督)

 チームは既に17年連続で優勝の可能性が消滅した。仮に巨人などと熾烈なクライマックスシリーズ進出争いに敗れ“終戦”すれば即、新監督の発表という運びだろう。関西マスコミだけではなく、藤浪ら選手がやきもきする日はもう少し続きそうだ。

デイリー新潮編集部

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