森元首相を参考人で呼んでも「200万円」について聴かない特捜部 読売新聞と東京新聞は”忖度報道”

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 AOKI、KADOKAWA、パーク24。いまだ底が見えない五輪汚職だが、国民が最も関心を抱いているのは森喜朗元首相(85)の関与だろう。先週、東京地検特捜部が参考人として森氏を複数回事情聴取していたことが報じられたが、特捜部は森氏に「お見舞い200万円疑惑」については一切聴いていないという。大手新聞社も大物政治家へ“忖度”するかのような報道を続けているため、捜査がどこへ向かっているかが見えづらくなってきた。

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産経報道から始まった森氏の疑惑

 五輪汚職で大会組織委員会の会長だった森氏の名が急浮上したのは9月1日のことである。贈賄容疑で逮捕された「AOKIホールディングス」前会長の青木拡憲容疑者(83)が、森氏に「現金200万円をお見舞いとして渡した」と特捜部の事情聴取で供述していると産経新聞が報じた。

 さらに9月9日には朝日新聞が、森氏が複数回にわたり、参考人として特捜部から任意で事情聴取を受けていたことを報じた。

 一連の報道を見ると、五輪汚職の捜査がいよいよ大物政治家へ向かっているように思ってしまうが、朝日の記事には200万円の話は一切出てこない。

〈特捜部は、元理事(電通OBで元組織委理事の高橋治之容疑者)の受託収賄容疑の立証に森氏の聴取が必要と判断したとみられる〉(9月9日付朝日新聞)

〈特捜部は、組織委の意思決定プロセス、会長や理事の職務権限、高橋元理事が理事になった経緯などを確認したという〉(同)

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