大人気! NHK受信料不要の「チューナーレステレビ」 それでも大手国内メーカーが参入しない本当の理由

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収入源は「テレビ局」と「家電メーカー」

 ビーエス社の代表取締役はNHKからの天下りで、NHK時代の役職はメディア企画室長。株主の出資比率はNHK(20.99%)にWOWOW(20.18%)、そしてパナソニック(13.96%)、日立(同)、東芝インフラシステムズ(同)などと続き、各民放キー局のBS放送会社も名を連ねる。

 ビーエス社に収入源を訊ねると、

「(民放キー局など)放送事業者からのカード使用料と、(大手家電)メーカーからの(カード)取扱い手数料が収入元になる」(同社広報室)

 と回答。また「当社はB-CAS方式と共通インフラを一元的に管理・運用するために、放送事業者と受信機メーカーの協力で設立された」(同)とも説明した。

 つまりチューナーレステレビ事業への参入は大手家電メーカーにとって「利益相反」行為になり得るわけだ。もちろん民放キー局にとっても、B-CASシステムの枠外にあるチューナーレステレビの存在は「皮肉にも“テレビ離れ”を加速させる新しいテレビ」(前出・キー局関係者)と映っている。

『ビエラ』ブランドの液晶・有機ELテレビで知られるパナソニックにもチューナーレステレビ事業に参入しない理由などを訊ねたが、

「ニーズの変化・多様化を踏まえ、様々なお客様のテレビの使い方に対応できる商品を市場に投入しております」(グループ広報)

 との回答にとどまった。

 さらなるシェア拡大が、この摩訶不思議な「利権構造」を突き崩すか。

デイリー新潮編集部

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