五輪汚職「高橋治之」元理事の「マイバッハ」はリース契約 過去に国税局が“利権”の調査も

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 東京五輪・パラリンピック大会を巡る汚職事件で、東京地検特捜部に受託収賄容疑で逮捕された大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)。自宅は東京・世田谷の閑静な住宅街にある約230坪もの大豪邸で、普段から外出時に使う車は、販売価格が約2200万円ともされるメルセデスの最高級ブランド「マイバッハ」。しかも運転手付きだ。一見するとセレブ感満載だが、実は、この高級車、高橋容疑者の所有物ではなく、代表を務めるコンサルタント会社「コモンズ」がリース契約したもので、節税策の一環だったようだ。

公私混同

 会社がリース契約した場合、その契約代金を法人経費として計上することが可能で、必然的に会社の法人税を圧縮することができる。よく中小企業の社長などが、自身が私的に乗る車にもかかわらず、法人名義で購入したりリースしたりし、その費用を経費計上するという「せこい節税策」を試みることは多々ある。ただ、実質的には個人用に使っているため、国税当局から「法人利用の実態がない」とみなされれば、経費として認められず、後に「所得隠し」「申告漏れ」として追徴課税を受けるということも珍しくはない。

 高橋容疑者が代表のコモンズは、登記簿によると会社所在地が高橋容疑者の自宅でもあり、完全に「公私混同」なのは明らかだ。マイバッハも節税策の一環としてリース契約しているというのは、「異次元の金持ち」などと報じられる高橋容疑者にしては、拍子抜けした感が否めない。

「自己顕示欲の塊で、周りに自分を大きく見せることによって、まずマウントを取ろうという意識が強い」

 高橋容疑者をよく知る人物はこのように言及しており、マイバッハのリース利用もそうした意識の表れからなのかもしれない。

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