統一教会とズブズブで安倍派は“悪の権化”呼ばわり 派閥議員からついに出始めた意外な声とは

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統一教会との“癒着”

 とはいえ、事務総長代理というポストが設けられること自体、前代未聞だという。なぜ、そんなポストを新設しなければならなかったのか。

「森さんの指示に反対できなかった塩谷さんの弱さが露呈していると言えます。要するに塩谷さんは、“信念の政治家”ではないということでしょう。おまけに、その尻拭いのため、派閥が混乱している様子も伝わってきます」(同・記者)

 異例の人事はまだある。自民党政調会長の萩生田光一氏(58)だ。

「萩生田さんは安倍派の副会長就任が有力視されていましたが、蓋を開けてみると常任幹事という地味なポジションでした。統一教会(註)との関係を巡る報道が影響を与えたのは間違いありません。何しろ連日のようにワイドショーで取り上げられています。今、萩生田さんを重用するイメージを持たれるのは得策ではない、という判断でしょう」(同・記者)

 俗に「前門の虎、後門の狼」という。「前門の虎」が高木氏の過去や塩谷氏の弱腰ならば、「後門の狼」は統一教会の問題だ。特に安倍派は直撃を受けている。

 読売新聞オンラインが8月5日、「旧統一教会との関わりに自民苦慮…寄付・関与、安倍派に集中」という記事を配信したほどだ。

“悪の権化”

「萩生田さんを巡る報道が過熱しているのはご存知の通りですが、参議院議員の井上義行氏(59)は統一教会の賛同会員で、同じく参議院の北村経夫氏(67)や元防衛相の岸信夫氏(63)は選挙で協力を受けていたことを認めました。いわゆる“ズブズブの関係”です」(同・記者)

 統一教会と関係がある安倍派の議員は、まだまだ他にもいる。文科相の末松信介氏(66)はパーティー券を購入してもらい、元文科相の下村博文氏(68)は寄付を受けている。また下村氏は、統一教会が名称変更したときの担当大臣としても注目を集めた。

「安倍派と言えば、ついこの間までは自民党の最大派閥として存在感を発揮していました。ところが今や、党内では“悪の権化”という扱いです。実は安倍派は“二重構造”になっていて、岸信介(1896~1987)、安倍晋太郎(1924~1991)、両氏の流れと、福田赳夫氏(1905~1995)の流れがあるのです」(同・記者)

 つまり安倍派の中には、「岸・安倍系」の議員と「福田系」の議員がいるということだ。

 岸元首相は、統一教会の教祖・文鮮明(1920~2012)と共に国際勝共連合を結成した過去を持つ。

「岸・安倍系」の議員にとっては、“悪の権化”扱いも仕方ないかもしれない。だが、統一教会との関係が比較的薄い「福田系」の議員には、納得がいかない者もいるようだ。

「看板を降ろしたい」

「安倍派は9月29日に行われる安倍さんの国葬までは、一致団結することを確認しています。しかし、その後は相当な激震が起きても不思議ではないでしょう。何しろ、いわゆる福田系の議員からは『もう安倍派の看板を降ろしたい』、『安倍派の名前を捨てられるのなら、塩谷派でも何でも構わない』という声が出始めています」(同・記者)

註:現在の名称は「世界平和統一家庭連合」だが、本稿では「統一教会」とした。

デイリー新潮編集部

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