統一教会「霊感商法事件」捜査の深すぎる闇 司直の手はなぜ教団本体に届かなかったのか

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 統一教会(註)が日本で巨額の資金を調達していることに、改めて大きな注目が集まっている。特に問題となっているのが、霊感商法だ。「あなたの不運は、地獄で苦しんでいる先祖の霊が原因」などと無辜の市民を不安に陥れて、高額商品を買わせる。犯罪性が極めて高いことは言うまでもない。

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 今もなお霊感商法による深刻な被害が発生している。一体、警察は何をしているのか。無為無策で、跳梁跋扈を許しているだけなのだろうか──。

 いや、そうとも言えない。2000年代に警察は、統一教会を霊感商法の問題で一斉捜査。マスコミも大きく報じたことがある。

 2009年5月、福岡県警は韓国籍で60代の女を、特定商取引法違反の容疑で逮捕した。容疑者は健康器具・印鑑販売会社での勤務実績があった。

 容疑者は福岡市内に住む50代の女性を「先祖の因縁が深い。運を開くためにあと2つの水晶彫刻が必要。購入しなければ地獄に落ちる」と脅し、約300万円の売買契約を結ばせた。

 県警の取り調べに容疑者は統一教会の信者だと供述。県警は教会施設を家宅捜索し、パソコンなどを押収した。ちなみに統一教会はマスコミの取材に対し「販売会社と教会は無関係」としらを切り通した。

 毎日新聞は同年5月7日の西部版夕刊に「霊感商法:統一教会福岡を捜索 自称信者、“開運水晶”販売容疑で逮捕――県警」の記事を掲載した。

政権交代の影響

 この記事では、特定商取引法違反容疑で統一教会の関連施設に家宅捜索を行うことを《異例》とした上で、他県でも類似の捜査が始まっていることを伝えた。

《長野県警や新潟県警が印鑑販売などの特定商取引法違反容疑で会社社長らを逮捕するなど、摘発を強化する流れにある》

 担当記者は「報道されただけでも、他に大阪府警が捜査を行いました」と言う。

「福岡、長野、新潟、大阪の4府県警はいずれも、統一教会の関連団体が霊感商法で高額な印鑑を売りつける事案を摘発しました。警察庁が指揮を執り、各府県警が連携していたのは明らかでした」

 更に興味深いのは、逮捕に踏み切った時期だ。当時の首相は麻生太郎氏(81)だったが、この年の8月に行われた総選挙で自民党は敗北、下野することになる。

「警察は以前から内偵を続けていましたが、まさに民主党政権が誕生する直前、統一教会の強制捜査に乗り出したのです。現在、自民党と統一教会の密接な関係が問題になっているのはご存知の通りです。警察は国政の状況も睨みながら、捜査の指揮を執っていたことが分かります」(同・記者)

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