統一教会「霊感商法事件」捜査の深すぎる闇 司直の手はなぜ教団本体に届かなかったのか

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地裁判決の価値

 1992年に桜田淳子(64)が合同結婚式に出席した時、日本のマスコミは連日のように統一教会の問題を報じた。

 だがその後、オウム真理教が数々の凶悪事件を起こした。そのため2000年代に入ると、統一教会への関心が相当に薄れていたのだ。

 2009年11月に東京地裁が有罪判決を下しても、その後、捜査機関の動きは鈍かった。そして12年12月16日、総選挙で民主党は大敗する。

 同月26日に安倍晋三氏(享年67)を首相とする内閣がスタート。統一教会に対する捜査が“これで終わる”と考えた関係者は少なくなかった。

 しかし山口弁護士は、だからこそ今、東京地裁の判例に光を当て直すべきだと指摘する。

「今も統一教会による霊感商法で被害が生まれています。過去の話ではないのです。警察が捜査を行うにしても、メディアが統一教会の問題を追及するにしても、2009年の東京地裁判決は様々な示唆を与えてくれるはずです」

註1:現在の名称は「世界平和統一家庭連合」だが、本稿では「統一教会」とした。

註2:新世の印鑑販売、社長に有罪判決 東京地裁「信者獲得目的」(朝日新聞:2009年11月11日)

デイリー新潮編集部

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