病院、モデルガンショップ…全国に散らばる「統一教会関連施設」 近隣住民は「得体が知れず、怖かった」

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「私は信者ですが…」

 その“異様な陳列棚”は、桜田淳子に注目が集まった後、ふと気付けば撤去されていたという。以降、この病院は統一教会との関係をひた隠しにし、地元に根を張ってきたと思(おぼ)しい。

 受付で教団との関係を尋ねると、こんな答えが。

「職員の中には、さまざまな信仰を持つ者がおります。でも、決して統一教会が当病院を運営しているわけではございません」

 次は、やはり資料にその名のあった老舗モデルガンショップへと向かう。

 場所は東京を代表する繁華街の片隅。ところ狭しと店内に置かれた商品をかき分け、店長に統一教会との関係をズバリ聞くと、

「私は信者ですが……」

 あっさりそう認めるので、安倍元総理銃撃事件についての見解を尋ねた。

「容疑者の言っていること以外に、大きな真実がウラには隠されている気がします。あの散弾銃とか言われているモノについても、殺傷能力があったのか疑問です」

 堂々と陰謀論めいたことを口にするので、改めて店と教団との関係を問うてみた。すると、

「お客様のほとんどは一般の方で、私が信者だとは知りません。うちの会社には信者もいますが、そうではない者もいる。組織として統一教会との関係はありません」

「一般企業に見えて実は…」

 さて続いては、捜査ファイルにも記載され、かねて関係者の間では“信者御用達”としても知られてきた新宿の焼肉屋を訪ねたが、

「先日、お客さんから“以前ここは統一教会の店だったんだよね”と言われて驚きました。いまは経営者も代替わりしていまして、全然関係ないですよ」

 かつて、統一教会系の施設は、韓国製の炭酸飲料「メッコール」の自販機がおいてあるため見分けがつくと言われたものだ。しかし、輸入を手がけていた業者によれば「2012年に取引は終了しました。取引量の減少からくる経営判断です」との話だった。

 このように統一教会の関連が疑われる店や企業の中には、すでに関係が解消されているケースも見られる。

 前出の山口弁護士が現状を概観して言う。

「00年代後半以降、特定商取引法違反による霊感商法の摘発が相次ぎ、壺や多宝塔などの販売会社を中心に、統一教会系企業が少なくなっていったのは事実です。ただ、すべて消えたわけではありません。たとえば配置薬を取り扱う会社はいまも、訪問販売の機会を勧誘に利用しています。一般企業に見えて実は……ということがあるんです」

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