「老人ホームは現代の姥捨て山」 利用者が気を付けるべき施設の「キラーワード」は? プロが明かす

ドクター新潮 介護 その他

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親を“厄介払い”するシステムに

 表現はきつくなりますが、あえて申し上げます。もちろん、自分のこと以上に親を思い、必死に、そして真剣に、「親にふさわしいすみか」について考え、時間と手間暇をかけて老人ホームを探している子どももいます。しかし残念ながら少数派というか、極めて少ない。そうした一部の例外を除いて、介護が必要になるなど、子どもが自分では手に負えなくなった親を“厄介払い”する施設になっている。それが現代の老人ホームの現実なのです。

 私はこの現実が良いものだとは思えません。これでは、老人ホームは姥(うば)捨て山とほとんど変わりがないことになってしまうからです。老人ホームを選んでいるのは子どもであり、入居者当人である親は選べていない。これが今の老人ホーム選びの根本的な問題なのです。

 したがって、本稿はこれから老人ホームへの入居を考えている70歳代、80歳代の「親世代」とともに、その「子ども世代」にも読んでもらいたいと思います。あなたが親世代だとしたら、お子さんにも、いやお子さんにこそ、是非この記事を勧めてほしいのです。

老人ホームの内側を熟知するプロ

〈こう説くのは、公益社団法人「全国有料老人ホーム協会」業務アドバイザーで、老人ホームコンサルタントの小嶋勝利氏だ。

 介護付き有料老人ホームで介護職、施設開発企画業務、施設長を経験した小嶋氏は、老人ホームの「内側」を熟知するプロのひとりである。

 2006年、その経験を生かして有料老人ホームコンサルティング会社を設立し、現在に至るまで講演活動等を通じ、「老人ホーム問題」に警鐘を鳴らし続けている。

 小嶋氏の話の特徴は、老人ホームの内側を知りつつ、決してホーム側に甘くないこと。同時に、すでにお分かりの通り、われわれ「利用者側」にも耳が痛い問題提起をすること。すなわち、現実を踏まえた上で「ありのまま」の問題点を浮き彫りにするところにある。〉

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