13年間義母を介護した城戸真亜子さんが語る「介護と排泄」現場事情

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白髪になってからでは手遅れ!「介護と排泄」現場(1/2)

 現在の日本で、介護を要すると認定されているのは660万人。この20年間で3倍に増加するなど、まさに国民的課題と言える。当事者にとって深刻な問題なのが「排泄」の処理だ。

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 約半世紀前にベストセラーとなった有吉佐和子『恍惚の人』は、高齢社会の実態を詳(つまび)らかにした先駆的な作品である。その中で印象的なのは、主人公が、布団の中で粗相をした義父のオムツの後始末をする場面。

〈一枚や二枚のタオルでは足りず、遂にバケツに少量の石鹸水を落して、微温湯(ぬるまゆ)で丁寧に拭き潔(きよ)めた〉
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