岡本和真が約1カ月ぶりの22号本塁打 村上宗隆とどこが違うか【柴田勲のセブンアイズ】

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ヤクルト村上と岡本和真の違い

 岡本和真が7日の試合で一発を放った。7月6日のヤクルト戦以来、約1カ月ぶりの22号ソロ弾だ。一度、スランプに陥ると長いタイプだが、今回はやけに長かったような気がする。4番の不振とともにチームも低迷したからだろう。岡本が打たなきゃ得点力は上がらない。

 まだ物足りない。同日の試合では内角低めの球に手を出して併殺打となった。上がっていかない球を打ってはダメだ。遠くへ飛ばせる高さの球を待つことだ。勇気が必要だ。

 今季のヤクルト・村上宗隆と岡本和の違いは明白だ。村上は本塁打にできる球をジッと待っている。我慢している。そして甘い球を見逃さない。

 岡本和はなんでも振る。バットをしゃくり上げるが、こんな場合はゴロになりやすい。ヒザ元の球は上がりにくい。打席ではドッシリと構えてじっくり待つことだ。

 巨人は4日の阪神戦で山崎伊織がプロ最長の8回を投げて無失点、3勝目を挙げると、翌5日には堀田賢慎が自身約4カ月ぶりの白星をマークした。自己最長の7回を投げて1失点だった。

 そして(翁田)大勢が帰ってきた。7日は復帰して即セーブを挙げた。最後を締める投手がいるのは戦う上で実に大きい。そして赤星優志、平内龍太、今村信貴のリリーフ陣が9日の中日戦(バンテリンドーム)から合流することになった。

 上位進出に向けて戦力が整ってきた。巨人の巻き返しに大いに期待したい。
(成績は8日現在)

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長を務める。

デイリー新潮編集部

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