ミッドタウン八重洲は「東京駅徒歩0分」なのになぜ人気がない? テナント集めも難航か

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「東京駅から0分」というオフィスビルなど、後にも先にも滅多にあるものではない。三井不動産が手がける「東京ミッドタウン八重洲」は、同地区の再開発事業のトップバッターとして今年8月末竣工する高層ビルだ。ところが、絶好の条件でありながら、なぜか人気がイマイチなのだという。

 JR東京駅の八重洲口を出ると、銀色に輝く地上45階のタワーが聳(そび)え立っている。日本初のブルガリホテルと、なぜか中央区立城東小学校の入居が決まったことで話題になった東京ミッドタウン八重洲だが、肝心のオフィスフロアはどうなのか。

「すでに三井化学や住友生命、ダイキン工業東京支社などの入居が明らかになっていますが、同ビルの床面積は全体で約28万4千平方メートル、東京ドームの6倍もあります。テナント集めは容易なことではありません」(不動産関係者)

なぜ人気がない?

 これほど巨大なビルの場合、三井不動産が直接企業に営業をかけるものだが、すでに不動産仲介のサイトには〈28階 1266・59坪〉などと募集が出ている。仲介業者を使わないと埋まらないようだ。

 5月には、まだ半分しかテナントが決まっていないとも報じられた。

「しかも、これまでランドマークとなるビルの場合、大手外資系金融や有名IT企業がキーテナントとなって、それがビルのステータスにもなってきました。東京ミッドタウン八重洲は、そうしたニュースがまだ聞こえてきません」(同)

 不動産コンサルタントの森島義博氏が言うのだ。

「同ビルは、オフィス賃料が坪当たり約5万円といわれています。しかし、駅の反対側の丸の内・大手町エリアは4万円台がありますから、それと比べても高い。しかも、2023年には虎ノ門・麻布台、渋谷などで高層ビルの竣工ラッシュが来る。移転を考えている企業は、どこが得なのか様子見なのでしょう」

 三井不動産に聞くと、

「具体的な入居企業の名前は言えませんが、23年のグランドオープンまでに全室が埋まる予定です」(広報部)

週刊新潮 2022年8月4日号掲載

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