歴史タレント・小栗さくら、高校時代にハマった“変わった趣味” 数日に1度、土方歳三の墓参りに

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「この歌詞は新選組の土方歳三だ……」

 博物館学芸員資格を持つタレントであり、さらには歴史小説家としても活動する小栗さくらさん。この春刊行されたデビュー作『余烈』で土方歳三ら幕末の侍たちを描いた彼女が、学生時代にハマっていたちょっと変わっていた趣味とは。

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「僕は諦めない 誰か聞いているか 僕はここにいる 誰かそばにいるか」

 この歌詞を見たとき、私と友人はカラオケボックスの一室でおえつをもらした。

「この歌詞は新選組の土方歳三だ……」

「いや、永倉新八でしかない……」

 十八、九の女二人は、歌詞を見つめながら互いに言い合うが、どちらも不正解だった。これは小田和正氏の「the flag」という歌の一節なのである。いま思えば、若さゆえの思い込みの激しさといえるが、この曲がなかったら、私は歴史の歌を作ろうとは思わなかったろう。

高校の夏休みは数日に1度土方歳三の墓参りに

 両親ともにそこそこ歴史好きの家に生まれた私は、10代半ばで本格的に歴史にのめり込んだ。自分の出身である多摩ゆかりの新選組は、親しみも相まって、ことに好きになった。高校の夏休みは、数日に1度土方歳三の墓参りに行っていたほどだ。そんな私は18の頃、いまの親友と新選組を通して出会い、「合宿」と言っては互いの家に泊まり込んで、さまざまな歴史物の映画やドラマを鑑賞した。

 あるとき、ドラマ「白虎隊」のテーマ曲、堀内孝雄氏の「愛しき日々」を聞き、あまりにドラマとマッチしていることに感銘を受けた。そこから私と彼女の「歴史っぽい歌」を探す日々が始まったのである。ジャンルはおもにJ-POP。特に浜崎あゆみ氏の歌詞は「それっぽく」感じられるものが多かった。この歌詞が良かった!と思えば、互いに歌詞を見せながら聞かせ合う……。オタク丸出しの私たちに、もちろん彼氏はいなかった。

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