統一教会 殺人事件も起きた日本人妻の悲劇 従軍慰安婦の過去があるからどんな韓国人と結婚させられても感謝しなければらない

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困窮を極めた生活

 統一教会が《「教団が関連団体を使って」結婚難にあえぐ農村部の男性に「信者になれば、日本人と結婚できますよ」と、勧誘》しているため、金銭トラブルは必然的に起きるようだ。中西氏の解説を引用しよう。

《「韓国は超学歴社会なのですが、農村部の男性は中学校卒という人も珍しくはない。そうなると自ずと仕事も制限されます。『夫は失業しているのでサラ金に借金をしている』『月給がたったの30万ウォン(約2万3000円)しかない』と嘆く声もありました」》

 桜田淳子氏が合同結婚式に出席したのは1992年。それから20年が経過した2012年、週刊文春は12月6日号に「統一教会『合同結婚式』の悲劇 日本人妻はなぜ韓国人夫を殺したのか?」の特集記事を掲載した。

 フリーライター・石井謙一郎氏の署名記事だ。52歳の“日本人妻”が夫で51歳の韓国人男性を殺害した事件について、詳細に取材している。

 もちろん殺人が重罪であることは論を俟たないが、《結婚してからずっと、貧乏や夫の飲酒、乱暴に苦しんできた》という苦しみが存在したのは事実だ。

 95年の合同結婚式に参加して以来17年間、夫は常に無職。子供はいなかったが、生活は困窮を極めた。

「アルコール依存症で4、5年間仕事をしていません」

 国からの基礎生活受給費約50万ウォン(当時で約4万円)、妻が食堂や家政婦の仕事で一日12時間働いて得る50万ウォン(同)、合計約8万円で生計を立ててきた。

 更に夫は腎臓病に罹患、人工透析の費用70万ウォンが家計を圧迫した。妻は懸命に看病するが、夫は飲酒しては暴れ、家を壊し、悪態をつく……。記事には《その扱いは、飼っていた犬以下に感じられるほどだった》と書かれている。

 夫を殺害して“洗脳”が解けたのか、記事には興味深い記述がある。警察の取り調べで宗教を信じているかと質問された妻は、《「いまは宗教はもっていません」と答えた》という。

 週刊文春の記事も、前出の『統一教会』の共著者である中西尋子氏が取材に協力している。日本語で書かれた韓国での機関紙を入手したところ、“日本人妻”が困窮し、統一教会の内部に作られた「互助会」に助けを求める記述があったという。

《夫がアルコール依存症で4、5年間仕事をしていません。本人が工場で働いていますが、月57万(編集部註:ウォン。現在のレートで約5万9000円)の給料で生活が困難です。現在、不景気のため2カ月給料が出ていません。(略)身も心も疲れ果て、生き地獄から解放されたい心境ですが、逃げる訳にもいかないので、互助会で何か力になっていただけたらと思います》

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