大役を息子に差配、海老蔵に“親バカ”批判が 大物たちも30代以上で初演した難役

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 歌舞伎の大名跡襲名に暗雲が。今年11月7日に東京・歌舞伎座で初日を迎える「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」に臨む、市川海老蔵(44)のことだ。

「海老蔵の襲名披露の際には、同時に長男・堀越勸玄君(9)の『八代目市川新之助初舞台』も行われるんです。親子二代がそろっためでたい公演のはずですが、どうにもいまから評判が悪くって……」

 と演劇記者は肩をすくめる。

「公演は2カ月にわたり、11月と12月とでは演目が異なります。新・團十郎が演じる『勧進帳』『押戻し』や、父子が共演する『口上』『助六由縁江戸桜』は延期前の発表と同じ。ところが、新・新之助には『外郎売(ういろううり)』のほかに『毛抜(けぬき)』が加わった。理由は“本人の強い意向”とのことです」

中村芝翫は47歳で

 同じ團十郎家のお家芸“歌舞伎十八番”の演目といえども、幼い役者でも演じられる「外郎売」とは異なり、「毛抜」は男女の機微の表現など難しいシーンも多い。海老蔵の父や祖父も演じた人気演目で、主人公の武士・粂寺弾正役には豪快な演技が求められる“荒事”の一種として知られる。弾正は色気と愛嬌を併せ持ち、訪問先のお家騒動を持ち前の機転で解決に導く知恵者という顔もある。

「多くの若手や中堅役者が一度は憧れる魅力的な役ですが、簡単には演じられない難しい役どころでもある。團十郎家の海老蔵は30歳の時に初めて演じましたが、それでも“早すぎる”との声が上がったほど。團十郎家以外では、中村獅童が32歳、片岡愛之助が40歳、松本幸四郎が43歳で演じました。中村芝翫に至っては47歳の時でしたよ」

 これを勸玄君が演じれば、斯界の最年少記録を大きく更新することになる。

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