大役を息子に差配、海老蔵に“親バカ”批判が 大物たちも30代以上で初演した難役

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共演者が決まらず

 事情を知る関係者が言う。

「きっかけは昨年1月に海老蔵が演じた『毛抜』を見て、勸玄君が“粂寺弾正をやってみたい”と申し出たこと。海老蔵は“9歳でできるものではない大変難しい役。一方で、彼には父(十二代目團十郎)に似た大らかな雰囲気がある。弾正を演じる上で欠かせない資質”と愛息の挑戦を受け入れた。とはいえ弾正は、勸玄君に限らず9歳の子が演じられるものではありません。海老蔵の親バカを伝え聞いた関係者は一様に耳を疑いましたが、時すでに遅しでしたね」

 すでに初日まで4カ月を切ったが、いまだに共演者の発表はない。背景を、梨園関係者が声を潜めて語る。

「このタイミングで共演者が決まらないのは異例の事態。市川團十郎の襲名披露といえば、通常の公演とは比べものにならない歌舞伎界を挙げての一大イベントです。だからこそ、共演者として舞台で花を添えるベテランや人気の役者たちをはじめ、スタッフや関係者に早くから根回しをしておく必要があるんですが」

役者たちの本音は

何が起きているのか。

「いまでも“『毛抜』への出演は遠慮したい”と共演を拒否する役者が続出しているんです。勸玄君が頑張って弾正を演じても、それは単なる“9歳の子役による奮闘公演”に過ぎません。それに付き合う役者たちは共演者というよりサポート係。さすがに“勘弁してほしい”というのが役者たちのホンネのようです」

 実際“父親の襲名公演と一緒とはいえ早すぎる”“海老蔵の暴走じゃないか”といった不満の声があちこちから上がっているという。

「厳しい声は松竹にも向けられています。本来なら息子をゴリ押しする海老蔵を戒めるべき立場なのに、聞く耳を持たない海老蔵のわがままを許している。そんな弱腰にも強い批判が集まっているんですよ」

週刊新潮 2022年7月28日号掲載

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