金満「リブゴルフ」に迫る危機 テレビ中継なし、スポンサー企業も皆無のウラ側

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破格の賞金でPGAツアーは白旗

 リブゴルフは1試合に48名が出場し、予選落ちのない3日間54ホールをプレーして、個人戦とチーム戦(4名1組)の両方を同時進行する。1試合の賞金総額は2500万ドルで、そのうちの2000万ドルが個人戦、500万ドルがチーム戦の賞金となる。

 個人戦の優勝賞金400万ドルはPGAツアーやメジャー4大会の優勝賞金を軽々上回る破格。最下位の48位でも12万ドルが得られる。

 チーム戦はトップ3にのみ賞金が授けられ、優勝チームには300万ドル、2位には150万ドル、3位には50万ドルで合計500万ドルが支払われる。

 こうした超高額賞金とは別に、スーパースター級の選手には契約金も前払いで支払われており、ミケルソンは4年契約で2億ドル、ジョンソンは4年契約で1億5000万ドルを受け取ったとされている。

 出場すれば必ず夢のようなビッグマネーが手に入るとあれば、古巣のツアーに背を向けてでも「リブゴルフへ行かない手はない!」ということなのだろう。予想以上に有名選手たちがリブゴルフへ移籍しているため、来年は年間10試合だった当初の予定を上方修正し、年間14試合が開催されることになった。

 まさに今のリブゴルフには飛ぶ鳥を落とすほどの勢いが漲っている。

 一方、有名選手や中堅選手を次々に失いつつあるPGAツアーは、最初のうちは「マネーにはマネー」で対抗しようという構えで、賞金額を引き上げたり、選手たちへの新たなボーナス制度を創設したりしていた。だが、PGAツアーを率いるジェイ・モナハン会長は「(リブゴルフと)戦う武器がマネーのみしかないとしたら、我々はその戦いを続けることはできない」と、マネー戦争そのものに対してはもはや白旗を上げている。

 そして、PGAツアーはPGAツアーにしかない歴史や伝統、これまで築き上げてきた巨大なピラミッドを構成する人的財産を武器にして、リブゴルフに対抗していく姿勢を見せている。

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