「日産スタジアム」施工 耐震の「黒沢建設」で社長兄vs.専務弟が繰り広げる“激震”骨肉の争い

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隠し口座

 KTB協会は、四十数年前に黒沢建設が音頭を取り、「KTB定着工法」を採用する建設業者らで組織された。黒沢建設の専売特許であるKTB定着工法とは、くさびとナットの併用でPCを定着させる技術である。

「180社を数える会員には、鹿島建設や大林組などのスーパーゼネコンも名を連ねています。鰯が鯨を集めたような団体で、名誉会長は兄が務めていますが、実質、私が切り盛りしていた」

 この協会のおかげで、黒沢建設は仕事の幅が広がり、売上増にも繋がった。

「ただ、協会を介しての仕事は、私抜きではなかなか進まないことも確かです。だからこそ、兄は私の院政を疑った。さらに、口封じのために私を黒沢建設から排除しなければならない新たな理由も生じたのです」

 それは、志郎氏が実際よりもはるかに多い報酬を得たように会社が処理していた事実。そして、会社によって勝手に志郎氏名義で開設された「隠し口座」の存在だった。

「週刊新潮」2022年7月28日号「MONEY」欄の有料版では、弟の志郎氏の証言で骨肉の争いについて詳報する。なお、黒沢建設は「取材に応じるつもりはありません」(代理人弁護士)とのこと。

週刊新潮 2022年7月28日号掲載

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