白寿で旅立ち「瀬戸内寂聴さん」お別れの会、しめやかに

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 昨年11月、99歳で亡くなった作家・瀬戸内寂聴さんのお別れの会(出版・新聞社14社合同主催)が7月26日、東京・千代田区の帝国ホテルで行われ、縁のあった著名人ら約318人が参列した。

最大のホラ

 献杯の音頭を取った作家の林真理子さん(68)は、

「先生があちらに行って早いもので8カ月。今でも京都に行くと、先生のことを思い出します。お話するのが本当に楽しかったです。先生の楽しいお話の中には、かなりのホラもありました。でも、先生がおっしゃった最大のホラは、『作家なんて、死んじゃったら、本屋から本なんか消えて忘れられちゃう』とおっしゃったこと。今も全集が出版され、映画も公開され、寂聴展もたくさんの人がいらっしゃっている。また寂聴ブームが起こっていますよ」

 と、遺影に語りかけた。

 家族ぐるみの付き合いだったという作家の平野啓一郎さん(47)は、かねて寂聴さんから、「弔辞を読んでね」と頼まれていたことを明かし、

「誰もが瀬戸内さんをどこか不死身の人のように思っていて、私自身も真面目に110歳ぐらいまで生きられるのではないと思っていて、ご本人にもそうお伝えしていたんですが、『そんなには生きたくない』と笑って首を横に振っていらっしゃいました。99歳で亡くなったという事実に、私は一遍の短編小説を読んだような印象を受けました」

 と、別れを惜しんだ。

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