「オレ流」がファンに異例の“神対応” 阪神監督「待望論」で落合博満の虎視眈々

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

秋から逆算しての「仕掛け」か

 元中日監督の落合博満氏(68)が、自身のYouTubeチャンネル「落合博満のオレ流チャンネル」で7月22日公開した動画が、「うちの監督就任に向けたイメージ戦略ではないか」と一部、阪神関係者の間で囁かれている。【津浦集/スポーツライター】

 動画では、自身のサイン入りバットのプレゼント企画に応募してきた中日ファン親子とオンライン上でやり取りし、予定にはなかったサインボールを贈った。この“神対応”に「これがファンサービスなんだと認識した。素晴らしい企画で感動した」などとコメント欄で視聴者はおおむね好意的な反応を示した。球界では「中日監督時代にファンサービスに熱心でなかったことが批判されて、最終的にやめさせられている。昔の汚名を返上するような動画だった。本気で阪神の来季監督を狙っているかもしれない。この秋の就任から(コーチ人事などがあることから)逆算すると、仕掛けるには今が最後のタイミング」(NPB監督経験者)との臆測も呼ぶ。

 落合氏は今年4月に開設した同チャンネルで、確執があったとされた星野監督との関係など、中日選手時代などの秘話を公開して人気を博し、登録者数約40万人と瞬く間に野球人のトップYouTuberの仲間入りを果たした。5月31日撮影とある件の動画では、中日の今季Aクラス入りの可能性から、根尾は投手、野手どちらの方が活躍するか、京田の2軍落ちの是非まで、画面越しの親子の質問に一つ一つ丁寧に答えていった。元ドラ番記者は皮肉まじりに言う。

「中日監督時代は囲み取材で『お前らに言っても分からないから』など、けんもほろろの対応が珍しくなかった。親会社の中日新聞の系列スポーツ紙のキャップにも容赦なかった。我々の時代にもこういう姿勢であればメディアとの関係は良好だったはずで、あれだけ強かったから、もっと長く監督をやれたはず」

 動画のハイライトは終盤だった。プレゼントするバットにサインを書き入れた落合氏は、父親が息子のために応募したと聞くと、近くにあった公式球を手に取る。そして「ちょうどボールがあるから、お父さんにも(サイン)しようか?」と提案。「息子のバットだけで十分」と恐縮する父親を見ると、もう1個ボールを取り出し、親子それぞれの名前を書いて贈った。この大サービスはコメント欄で「阪神ファンやけど落合さんの優しさに泣けます」と書き込まれるほどで、他球団のファンまで虜にしたようだ。

次ページ:「監督要請? 話は聞きます」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。