六本木に自動販売機まで登場も「福岡のうどん」が東京で大ブームにならないワケ

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 福岡県のソウルフードといえば、豚骨ラーメンを思い浮かべる向きも多いかもしれない。しかしその一方で、実はうどんもまた、地元で深く愛されているのをご存じだろうか。そのうどん、麺が讃岐うどんとは真逆の、コシがない、ふわふわ状態というのが最大の特徴。そんな「福岡うどん」を提供する店舗が東京都心でも増え、さらには自販機まで登場した。静かに知名度が上がってきているのだが――。

7割が東京からの注文

 東京・六本木。あの六本木ヒルズからもほど近い住宅エリアにある駐車場の一角に、ずらりと自販機が並んでいる。そのうちの1台で、福岡県久留米市の人気店「立花うどん」のうどんが買えるのだ。なぜ、こんな大都会の真ん中に、久留米のうどん屋さんが?

 立花うどんの代表取締役・龍寛(りゅう・ひろし)氏に訊いた。

「もう数年前から、通信販売でうちのうどんを販売させてもらっているのですが、注文される方の7割が、東京からなんですよ。ということは、東京でも需要があるのではないかと思い、今年の6月30日から、設置させていただきました」

 反応はどうかというと、

「お陰様で、予想以上に好調です。SNSでその存在をお知りになり、買いに来てくださる福岡出身の方が多いようですね。これをきっかけにもっとうちのうどんを知ってもらえるといいなと思います」

「設置してくれてありがとう」

 また、ネット上では、

「『設置してくれてありがとう』といった声がたくさん上がっていて、大変嬉しかったですね。福岡出身の方が、なかなか食べられない故郷の味を楽しんでいらっしゃるのかなと思いました」

 その一方で、

「東京への出店は今のところ考えていません。やっぱり、任せっきりにもできないし、福岡のお店をやりながらというのは、管理が難しいですからね」

 と、東京への本格進出については、キッパリと否定した。

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