元信者が「統一教会」から19億円を取り戻すまで 先祖代々の土地を売り“献金”

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 安倍元首相の射殺事件を受け、改めて、統一教会(現:世界平和統一家庭連合)に注目が集まっている。山上徹也容疑者の母は1億数千万円の寄付を教団に行っていたとされるが、過去には19億円もの額を捧げ、それを取り戻した元信者もいた。(以下は週刊新潮2002年10月31日号掲載時点の情報です)

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 北関東の資産家一族に生まれた田中利夫さん(42)=仮名=が、統一教会に入信したのは20年前。当時、田中さんは都内の大学生。「霊場」と呼ばれる教会の施設で高価な物品の購入を勧められた。訴状など裁判記録によれば、その勧誘方法はこうだ。

〈すべての窓が外界の光が入らないようにふさがれ、時計はなく、時間の感覚が分からなくなるようになっている(中略)霊能師役の信者から田中家の家系図を書かされ、これに基づき、霊界に苦しむ原告の先祖の因縁を解放しない限り、必ず不幸になる、原告が幸福になるためには、壺を購入しなければならないと、強く言われたため不安を募らせ、結局売買金額300万円にて壺を購入させられた〉

 田中さんは霊能師役の話を真に受けてしまい、以後、多宝塔(1億円)、高麗人参液(4800万円)、釈迦塔(5000万円)を買うハメに陥る。

 大学を卒業した田中さんは郷里で就職したが、その後も深みにはまり込んでいく。

「昭和61年11月に土地を売って得た3億1000万円を献金すると、62年3月には1億7000万円、同8月5億2000万円、同11月3億8500万円、63年10月2億2000万円という具合に平成3年10月まで続けられ、32億円に達しました。田中さんは先祖代々受け継いできた宅地や畑、山林をほとんど失ってしまったのです」(司法関係者)

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