70年代に“生魚のカルパッチョ”!? 朝ドラ「ちむどんどん」のイタリア料理にプロも困惑

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パスタを炒めるのはNG

 イタリア料理に話を戻そう。

 ドラマの第10週で、暢子が病弱な妹・歌子(上白石萌歌[22])のためにふるまう「ボロネーゼビアン(白いボロネーゼ)」は、ドラマの公式レシピブックで〈暢子が妹・歌子のために考えた、ドラマのオリジナル〉と紹介されている。

「『ボロネーゼ』ではなく正しくは『ボロニェーゼ』という点は措いても、疑問が残る料理でした。というのも、トマトがこの料理に使われだしたのは100年くらい前なので、作中以前からも、ドラマに登場するものに近い白いソースがボローニャ地方にありました。敢えてオリジナルと銘打たなくてもいいのではないでしょうか」(同)

 このパスタを下宿先の沖縄料理居酒屋「あまゆ」の厨房で作った暢子は、「鶏肉と刻んだ香味野菜を炒めて白ワインで煮込んだソースとパスタを和えた」料理だと説明するのだが、その調理方法もイタリア料理の基本中の基本から外れるという。

「パスタはアルミやステンレスのフライパンでソースと和えるものであって、暢子がやっているように鉄製のフライパンでガンガン火を入れながら炒めるものではありません。麺を炒めて作るのは日本で生まれたナポリタンくらいで、鉄製のフライパンで火にかけるとソースが焦げてしまうのでパスタでは絶対やりません」(同)

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