大谷翔平の休養日が増えた深い理由 エンゼルス、マドン排除の裏で「放出」へ準備着々

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起用法を巡る主導権争い

 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(27)が6月12日からの5試合で2度も欠場した。昨季は全162試合で欠場はわずか4度。今季もジョー・マドン前監督(68)が指揮を執った6月6日までは1試合しか休んでいなかった。ここに来て休養日が増えた背景は――。メジャーのベテラン代理人X氏の言葉を頼りに探ると、エンゼルスのしたたかな戦略が浮かび上がってくる。

 6月17日のマリナーズ戦の試合前、フィル・ネビン監督代行(51)は、前日に先発登板した大谷のベンチスタートをこう説明した。

「去年は(ナ・リーグの本拠地開催で指名打者が使えない)交流戦で休みがあった。こういった休みは必要だ」

 他にも移動日なしの強行日程で先発したことや、この日対戦する投手が手ごわい左腕だったことを理由に挙げた。確かに一理あるものの、12日も休んでおり、これまで登板翌日でも打者でフル出場していた大谷ならプレーしてもおかしくなかった。監督交代後、起用方針は明らかに変わった。

 従来の出場は、マドン前監督が大谷の意思を確認しながら決めていた。体調把握はメール交換などで直接、本人とやり取りした。その結果、昨季は「リアル二刀流」や登板日前後の打者起用という超人的な出場が実現。「9勝・46本塁打」でのMVPは二人三脚で獲得したと言っても過言ではない。

 しかし、二刀流の最大の理解者だった名将は去った。12連敗中だったとはいえ、27勝29敗はア・リーグ西地区2位。106試合も残し、プレーオフ進出の望みは十分にあった。

 球団事情を、代理人X氏が明かす。

「斬新な発想による独自の理論に自負があるマドンに対し、ペリー・ミナシアンGM(42)はメジャーの主流であるデータ重視のフロント主導の野球にしたいと考えていた。ただ、それは半分しか正解ではない。大谷の起用法を巡り、1試合でも早くマドンから主導権を奪回したかったのだ。大型連敗は、時期尚早にも見える解任の格好の口実になった」

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