観光魅力度ランキング1位でインバウンド復活へ? 賑わいが戻ってきた浅草のビフォーアフター

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2年前の今頃、行楽地はゴーストタウンと化していた

 振り返ってみると、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年5月頃、同じ通りはかつてないほど閑散としていた。

 浅草の仲見世通りだけでない。渋谷のセンター街も、原宿の竹下通りも、まるでゴーストタウンのような風景が広がっていた。その後人出こそ戻ってきたとはいえ、出歩く人がマスクをしている状況は変わっていない。

 しかし、欧米諸国の人たちの目には、日本人のマスク姿自体がもはや、過去のものに映るようだ。

 コロナ収束が近づくなか、出張で来日したという50代のオランダ人男性は、

「母国だと屋外ではマスクをほぼしないから、ちょっと前のコロナ全盛期の世界にいるような、懐かしい気分です」

 そう語りながら、強い日差しに汗を拭いていた。

観光魅力度ランキングで初の世界1位に

 浅草同様、銀座の歩行者天国も人の波で溢れていた。

 以前では考えられないほど密の状態で大道芸を楽しむ人々の姿も見られた。多くの人がマスク姿であること以外は、すっかりコロナ前の風景だ。

 外国人観光客の来日は、ビザ申請などの問題もあり、本格的に始まるのは1カ月ほど先になる予定だそう。

 折しも、世界経済フォーラムが先月発表した調査によると、観光魅力度ランキングで日本は初めて、世界1位となった。(前回2019年の調査では4位)

 交通インフラの使い勝手や、殺人発生率の低さなどが高評価につながったようだ。

 急速に進む円安も、外国人観光客にとっては訪日の後押しとなることだろう。

 もっとも、評価項目に「マスクをしないと気まずいかどうか」といったものは無さそうなので、ここを海外の観光客たちがどう判断するか。

「観光立国・ニッポン」のフレーズには、もはや懐かしさすら感じるが、インバウンドに沸く行楽地の姿を見られる日はいつ頃訪れるのだろう。

撮影・福田 正紀

週刊新潮 2022年6月23日号掲載

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