NHKが炎上する理由は「エリート意識の空回り」? なぜ時代錯誤な番組が出来上がるのか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「チコちゃんに叱られる!」でのマナー講師炎上事件に続き、今度はフワちゃんと大学教授が一触即発。NHKの教養番組、物議を醸す演出が続いている。

「鬼講師」を売りにするマナー講師が、女性スタッフを叱り飛ばして泣かせる演出で批判を浴びた「チコちゃん」。一方で講師はキャラを演じきっただけであり、素人を相手にさせたのが問題だったとの指摘もある。実際に江頭2:50さんとのYouTubeでは軽妙なかけ合いが成立しており、演出側の人選ミスとする流れのようだ。

 同じ轍は踏まないよう、今度はタレントと偉い人を戦わせる流れになったのが「太田光のつぶやき英語」。選ばれたのは、相手をキレさせて受けるのが得意なフワちゃんだった。しかし彼女はラジオで、番組に怒りをぶつけたのである。台本通りにやったにもかかわらず、立教大学名誉教授の鳥飼玖美子教授にブチ切れられたという。「フレンドリー英会話」という主旨のコーナーで、いつもの明るいノリで話しかけたら不穏な展開になってしまったそうだ。

 プロフェッサーという敬称がないと注意され、大学生という設定で学部を問われて答えるも、「そんな学部はない」と言われて会話が弾まない。お決まりの自撮りに持ち込めば、許可がないのに撮るなんてとけんもほろろ。見かねた爆笑問題・太田さんの乱入で何とか収まったとのことだった。

 自分のキャラと流れに教授が乗ってくれれば主旨に合う。フワちゃんはそう考えていたらしい。確かに「フレンドリー」と掲げた企画ならそうだろう。しかし教授側は、調子に乗っているフワちゃんをいさめる構図が面白いと思っていたふしがある。番組終了後に教授が謝ってきたというだけに、「ブチ切れ」も演出の範囲だったのではないか。だからフワちゃんは、流れを止めた教授ではなく番組スタッフに苦言を呈していた。ちゃんと説明しておいてもらえたら、みんな気を使わず済んだのにと。

 NHK側は、今回の件に関して特に釈明していない。どこまでが台本で、どこまでが自由演技だったのかも実際のところはわからない。ただ、破天荒キャラが持ち味のフワちゃんをして、「このままじゃ私が悪者になって損になる」とまで怒らせ、教授も戸惑っていたというのは、現場の仕切りが相当混乱していたのは確かだろう。

次ページ:「NHKだから」許せない? タレントにも視聴者にもある「特別な放送局」という意識から生まれる期待と反感

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。