「やんごとなき一族」で“怪演”の「松本若菜」 38歳の今とバイトは“週8”だったこともある下積み時代を語る

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助演へのこだわり

――これまで、「リーガル・ハイ」(フジテレビ)、「相棒」(テレビ朝日)、「科捜研の女」(同前)、「大岡越前」(NHK BS)、「チア☆ダン」(TBS)、「dele」(テレ朝)、大河「麒麟がくる」(NHK)、「ミステリと言う勿れ」(フジ)などなど、人気ドラマに数多く出演してきた。ただし、1話限りの脇役だった。主演とは何が違うのだろう。

松本:今回の主演は想定外で、夢にも憧れにも思っていなかったんです。私はずっと助演というものにこだわりを持っていたんです。助演がいてこそ主演も光りますからね。私は一度だけ賞をいただいているんですが、それが助演女優賞だったことも関係していると思います。

――2017年の映画「愚行録」(石川慶監督)で、彼女はヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞した。

松本:賞をいただいて、「より一層、腕を磨かないと」と思っていました。でも今回、主演のお話をいただいて嬉し涙が出たのは、心のどこかで望んでいたのかもしれません。

――女優になって15年である。嬉しいはずだ。

松本:実は女優になろうと思ったのは、上京してからなんですよ。

伝説の美女

――鳥取県米子市出身の彼女、高校1年の時に米子駅前のサティ(現・イオン米子駅前店)でスカウトされたものの、この時は断った。その後、「このままでいいのか?」と考えるようになって、スカウトした事務所に連絡して上京――というのが、彼女がブログで明かしているプロフィールだ。この時22歳、スカウトから上京までずいぶん間が空いている。

松本:高校卒業後は就職をしました。そんな中、芸能人になりたいと思うようになったんです。

――女優でなく?

松本:漠然と、テレビに出たりCMに出てみたいと。

――いわゆるタレントである。

松本:とにかく上京したんですが、当時の社長に「何をするにしても芝居は必要」と言われて、1年間、演技のレッスンを受けるうちに、女優に魅力を感じるようになったんです。

――その間、鰻屋でアルバイトをしていたことは有名だ。新宿の「ルミネtheよしもと」の近くの店だったため、明石家さんまや島田紳助など吉本芸人から“伝説の美女”と言われたとか。

松本:話が膨らみすぎですよ。私はさんまさんや紳助さんとお目にかかったことはありませんから。

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