4月期ドラマ「ベスト3」 それでも「マイファミリー」に感じた“2つの疑問”とは

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」(日本テレビ)

 科学犯罪対策室の活躍を描く物語。毎回、SF的な事件が起こり、ディーン・フジオカ(41)扮する室長の小比類巻祐一や岸井ゆきの(30)演じる天才・最上友紀子博士、ユースケ・サンタマリア(51)演じる平凡な刑事・長谷部勉の3人が解決にあたる。

 最先端ロボットや死者のよみがえり、不老不死などがテーマとして扱われる。そう聞くと小難しいドラマのようだが、噛み砕いて説明してくれるので分かりやすい。

 小林武彦・東大定量生命科学研究所教授(48)や西山伸宏・東工大化学生命科学研究所教授(48)ら権威たちが監修しているから、物語の背骨もしっかりしている。

 事件モノなので死者が登場するものの、ほどほどに軽くつくられている。暗くない。そこがいい。脳内にマイクロチップを埋め込んだeスポーツ選手が無敵になるが、チップが発火してショック死したり、あまりにリアルなVR(仮想現実)ゲームに誘導されて飛び降り自死する人が出たり。

 岸井とユースケのキャラクターもドラマを明るくしている。最上博士が満面の笑みで長谷部をからかう場面はクスリとなる。

 毎回、コンパクトによくまとまっている。ボリューム不足感はないし、逆に冗長に思える部分もない。新しいタイプの作風であるところも買える。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。