「清原入閣」を熱望する中日・立浪監督 「ノリに問題があったわけはない」のに異例の「打撃コーチ」配置転換の背景にあるもの

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立浪監督の布石

 立浪監督が同じ大阪・PL学園OBで2年先輩の清原氏を慕っているのは有名な話だ。球界への本格復帰に関しても、「何とかしてあげたい」という思いは当然のことながら強い。だからこそ、薬物事件で逮捕・起訴されて以降、NPB球団から事実上の締め出しを食らってしまっている清原氏を、今年の春季キャンプへ「ゲスト」として招き、その布石を打った。

 1軍キャンプ地・北谷球場の三塁側ベンチで立浪監督とにこやかに談義を交わす中、挨拶に訪れた将来の大砲候補・石川昂に清原氏がアドバイスを送るシーンも見られるなど、大きな話題を集めたのは記憶に新しい。

 さらに清原氏は、3月29日にバンテリンドームで行われた中日の本拠地開幕戦に東京からわざわざ足を運び、立浪監督を激励している。5月25日の対西武との交流戦では、地元テレビ局「CBCテレビ」の解説者として、再びバンテリンドームの放送ブースから立浪ドラゴンズの戦いに熱視線を送った。

 そのナイター中継の放送中には、「立浪監督との繋がりがあって、こういう仕事をいただいたりしていますから。後輩でありますけど感謝しないといけないですね」とも口にしている。

課題となっている和製大砲

 ある球団関係者は、次のようにと解説する。

「清原氏と立浪ドラゴンズとの“ホットライン”は、日を追うごとに強化されていると言っていい。立浪監督とPL学園時代のチームメートで同い年の片岡篤史2軍監督もまた、先輩・清原氏と昵懇の関係にある。立浪監督と片岡2軍監督の2人は、清原氏を“野球人”として心の底から尊敬しており、タイミングを見計らいながらコーチングスタッフとしての“入閣”も熱望していると聞く。そういう背景もあって、今回、中村コーチが2軍へ“左遷”されたことで、『来季、清原さんがドラゴンズの1軍打撃コーチに収まるのではないか』と、チーム内や球団内でウワサされ始めている」

 仮に清原氏の招聘が実現すれば、インパクトは絶大だ。コーチとしての手腕は確かに未知数であるものの、現役時代の実績は申し分なく、そのカリスマ性がチームに大きな変化をもたらすと期待する向きもある。

 長年にわたってチームの課題となっている「日本人大砲の育成」に関しても、「通算525本塁打の清原氏を1軍に、通算404本塁打の中村コーチを2軍に、それぞれ打撃コーチとして置けば、現役時代に本塁打を量産した大物2人が、立浪監督を頂点とするヒエラルキーの下で指導するという盤石の体制も整う」(前出の球団OB)とされ、解決策につながるとの声も出ているようだ。

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