巨人「ポスト坂本」の一番手……中山礼都が高校時代に木製バットで見せた“驚くべき将来性”

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名ショートの後釜問題

 昨年のリーグ3位からの巻き返しを目指す巨人。現在はドラフト1位ルーキーの大勢といった若手投手陣の奮闘や、ポランコ、ウォーカーの新外国人選手の活躍もあって優勝を狙える位置につけている。だが、今後のチームを考えると、大きな焦点となるのが、長年ショートを守り、チームを牽引してきた坂本勇人の“後釜問題”だ。【西尾典文/野球ライター】

 現在33歳の坂本は、過去2年間は新型コロナウィルス感染や故障の影響もあって出場試合数を減らしており、今年も開幕前にわき腹、4月末には膝を痛めるなど1年を通じて負担の大きいショートでプレーし続けることが難しくなっている。

 坂本は、プロ野球の歴史に残る名ショートだけに、その穴を埋めるのは簡単ではないが、ここへきて楽しみな選手が出てきた。高校卒2年目、20歳の中山礼都である。坂本の登録抹消に伴って一軍初昇格を果たすと、5月8日からはショートのスタメンに定着。打率こそ2割台前半と目立った数字を残していないが、6月2日終了時点で失策0と安定した守備でチームに貢献しているのだ。

高校時代は高橋宏斗とともに活躍

 中山は愛知県名古屋市の出身。全国でも指折りの名門校である中京大中京では入学直後にベンチ入りを果たし、1年秋にはセカンドのレギュラーをつかんでいる。

 筆者が初めて中山のプレーを見たのは、2018年秋の東海大会、対静岡高校戦だった。この試合で中山は背番号4をつけて6番、サードで出場すると(試合途中でセカンドへ守備位置を変更)、2本のタイムリーツーベースを放つ2安打3打点の大活躍で、チームを勝利に導いた。

 打撃だけでなく、フットワークも軽快で、四球で出塁した5回には盗塁を決めるなど、走攻守でとても1年生とは思えないレベルだった。2年夏には本職であるショートにコンバートされ、チームは愛知大会の準決勝で敗れたものの5試合で15打数10安打2本塁打と見事な成績を残している。

 2年秋の新チームからは、エースの高橋宏斗(現・中日)とともに中心選手となり、東海大会、明治神宮大会でも優勝を果たした。出場が決まっていた翌年春の選抜高校野球は新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止となったが、もし例年通り行われていたら、甲子園でも活躍していた可能性は高い。

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