参院選東京選挙区「自民現職・朝日健太郎」と「無所属新人・乙武洋匡」を裏で糸引く女性社長の正体

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6年前の“因縁”

 冒頭で紹介した朝日氏も、実は「次原チルドレン」である。6年前、自民党から出馬した際、サニーサイドアップ所属だった朝日氏の擁立に動いた人物こそ次原氏であった。きっかけは、自民党の公認が内定していた乙武洋匡氏の、思いも寄らぬ“落馬”。選挙が4カ月後に迫る中、「週刊新潮」が乙武氏の不倫をスクープしたのだ。乙武氏も、もともとは同社所属で、彼女が面倒を見てきた人物であった。

「まず、政治家になりたがっていた乙武氏を、次原氏が親交のあった茂木さん(自民党幹事長の茂木敏充氏)に紹介したのが始まりです。だから、乙武氏がスキャンダルで出馬を断念した時、彼女は責任を持って後任を探さねばならなくなった。中田英寿など身近なところから声をかけていったようですが、ことごとく断られ、最終的に白羽の矢が立ったのが朝日氏だった。当初、朝日氏は嫌がったそうですが、次原氏は朝日氏の自宅に通い詰め、妻ともども口説き落としたと聞いています」(前出・ジャーナリスト)

 知名度は欠けるが、ダーティなイメージがついた乙武氏とは打って変わった、199センチの爽やかイケメン候補。党の支援もあって朝日氏は5位で当選。菅義偉内閣では国交相政務官に抜擢されるなど、実績もつけてきた。

 だが今、再選に黄信号が灯っている。ただでさえ各党の大物候補が入り乱れて大混戦となっている中、「れいわ新選組」の山本太郎氏ばかりか、6年前に自分が政治家になるきっかけを作った乙武氏までもが無所属で参戦してきたからである。

「なぜ朝日の足を引っ張る」

 5月20日、江東区のスポーツ練習施設で行われた乙武氏の出馬会見。そこにも次原氏の“影”はあった。本人はいない。代わりに、慣れた様子で駆けつけた記者たちをさばいていたのはサニーサイドアップの社員たちである。

「普通はホテルの会場などでやるものですが、陸上トラックに集められました。女性司会者の掛け声で、義足をつけた乙武氏が登場。すべての仕込みが、無所属候補の会見とは思えぬくらいプロっぽくて驚きました」(取材した記者)

 出馬会見の様子を聞いた自民党の本部や都連の一部議員たちは、「なぜ朝日の足を引っ張るんだ」と次原氏に不信感を募らせているという。乙武氏のスキャンダルは、有権者の記憶に今も強烈に残っており、「当選は難しい状況」(前出・政治部者)。だが、日本一有名な障害者で、全候補者の中でトップの85万人のTwitterフォロワー数を誇る乙武氏は、少なからず票を集めるとみられる。当然、その中には自民支援者の票も含まれる。

 自民党二人目の候補者となった“元おニャン子”の生稲晃子氏が、どこまで通用するかも未知数。下手をすれば、自民両候補の共倒れもありうるかもしれない大激戦となっている中、なぜ邪魔をするのか――。「6年前の不始末を忘れて、いったいあの女は何を考えているんだ」(自民党都連関係者)。そんな声すら聞こえてくるのである。

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