参院選東京選挙区「自民現職・朝日健太郎」と「無所属新人・乙武洋匡」を裏で糸引く女性社長の正体

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私が画策したわけではない

 次原氏に取材を申し込むと、電話でこう釈明した。

「ご指摘の通り、朝日君も乙武君も弊社に所属していた時期があり、個人としても親交が深いです。ただし、乙武君の東京での出馬に関して、私が画策したかのような事実は一切ございません。彼から事前に相談はありましたが、出馬表明の直前で、すでに意思は固まっておりました」

 乙武氏とのつきあいは、彼が大学を卒業してからスポーツライターになった頃に遡るという。

「その頃から彼とは、彼が望む世の中を実現するためには政治家になるべきだと話をしていました。それが漠然と彼の夢になっていたと思います。私もいつかは彼が政治家になればいいなと思いながら、マネジメントさせていただいてきました。残念ながら6年前のスキャンダルで、彼は一度その夢を断念せざるを得ませんでしたが、彼にとっては諦めきれない夢だったわけです。だから出馬の報告に来た際には、正直、”よりによってなぜ東京で”と困惑はしました。ただ、反対はできませんでした。出馬会見を弊社スタッフがお手伝いさせていただいたのは事実ですが、通常業務として請け負っただけであり、弊社や私個人が選挙戦を支援していくわけではありません」

 一方、朝日氏についてはこう語った。

「彼も弊社所属だっただけでなく、家族ぐるみでおつきあいしてきた大事な人です。朝日君が出馬する際に、私が声をかけたのも事実です。この6年間、政治家として努力に努力を重ね、本当に頼もしい存在になりました。当選しない限りは、彼の6年間は無駄になってしまう。だから、前回同様に今回も、個人では粉骨砕身、応援に入らせていただくつもりです。複雑な経緯から、縁の深い二人が戦うことになってしまいましたが、二人揃って当選することを願っています」

怖い女

 次原氏の知人は、彼女をこう庇う。

「実際の彼女はとてもチャーミング。弱っている人を見るとほっとけない、おせっかいおばさんなんです。それが過ぎて、時にとんでもない騒ぎを起こす。今回もそんなことで起きたバッティングだと思います」

 だが、こうも評す。

「裸一貫で40年近く、この世界を生き抜いてきただけあって、とにかく人脈と情報量はすごい。味方にすると頼もしいですが、敵にすると厄介な怖い女ですよ」(同)

 果たして、次原氏の思惑通りに事は運ぶだろうか。投開票まであと2カ月。激戦を生き残れるのはどの候補か――。

デイリー新潮編集部

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