好調「金曜ロードショー」の裏で……人知れず「崖の上のポニョ」の不運

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ジブリ放送の“裏ルール”

「日テレはスタジオジブリに対して、2週連続での放送を約束していたので、ジブリ以外の作品にすることはできなかったんです。そのため、ジブリの過去の作品で何が放送できるのかを検討に入ったのです」

「ナウシカ」でも「トトロ」でも良かったのではないか。

「実は、日テレにはジブリ作品を放送する際の“裏ルール”があるのです。それは、各作品ごとに少なくとも2年の再放送期間を空けるというものです」

 なぜそんな裏ルールができたのだろう。

「ジブリ作品が視聴者から飽きられないためです。かつては毎年放送した作品もありましたが、そのせいもありジブリ作品といえども視聴率は20%に届くことは少なくなりました。そこで近年では、基本的に2年空けるようにしているんです」

 それでも、定期的に放送し続けているジブリ作品に、2年以上空いている作品は少なかった。

「人気の宮崎監督の作品となると、『ポニョ』と『天空の城ラピュタ』しかありませんでした。そこで、もうひとつの“裏ルール”が持ち上がりました。宮崎作品はエンドロールも含め、基本的にノーカットでなければいけないのです」

「ポニョ」の上映時間は1時間41分、「ラピュタ」は2時間4分だ。

「CMを含めれば、どちらも『金曜ロードショー』の枠では収まりません。放送はゴールデンウィーク中の5月6日ですから、子供向けの『ポニョ』を選んだようです。ジブリ担当者は編成部を巻き込み、“ノーカット15分拡大”という特別編成のタイムテーブルに変更してもらったのです。前代未聞とも言える緊急差し替えの後に、知床の事故が起きた。さすがに、再度の差し替えはできなかったということです」

デイリー新潮編集部

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