自粛で悪化する「腰痛」「ひざ痛」 自宅でできる「セルフ矯正」とは?

ドクター新潮 健康 整体

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 誰もが悩む腰痛とひざ痛。コロナ禍の自粛生活のせいで苦しむ人は激増したが、悲観することはない。自宅でできる簡単なストレッチで、痛みのおおもとの骨盤や筋肉を矯正すれば、苦痛から解放される。今後の生活を充実させるために必須のエクササイズだ。【清水ろっかん/骨格矯正士】

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 日本人の国民病といえば、真っ先に挙げられるのが腰痛でしょう。腰痛に悩まされている人は、全国に約3千万人いると推計されています。しかも、そのうちの3割ほどはひざ痛も併発しているというのです。

 軽度の症状も加えれば、現代人のほとんどは腰痛を抱えていると言っても、過言ではありません。

 このように、ただでさえ私たちの腰は脅かされていたというのに、2年余りにおよぶコロナ禍の自粛生活の影響で、腰痛に悩む人がさらに増え、以前から悩んでいた人は、いっそう深刻化しているのが現状です。

 痛みを和らげるために、マッサージや整体を利用する人も多いですが、一時的にラクになっても、すぐに再発するのが腰痛のやっかいなところです。

 じつは、かく言う私自身も、若いころ柔道で腰とひざを痛めて以来、気を抜くとすぐに痛みが出る体なので、日ごろからセルフケアを実践し、なんとか痛みを抑え込んでいます。

リモートワークによる弊害

 そこで今回は、日ごろ私が私自身を整えているセルフケアのなかでも、特に効果があると実感しているものに絞って紹介します。いずれも簡単なストレッチですが、ツボをしっかり押さえるので、痛みをかなり軽減することができます。

 加えて、腰痛と併発する人が多いひざ痛を抑えるためのストレッチも、最後に紹介しましょう。

 注意したいのは、ひと口に腰痛といっても、発症のメカニズムによって二つに大別されることです。ひとつは姿勢が原因で、骨盤が後傾することによって起きる腰痛です。

 腰の中心部に鈍痛を感じるのがこのタイプの腰痛の特徴で、まさにいま急増しています。コロナ禍でテレワークや自宅での自粛生活が長引いた結果、骨盤が後傾してしまった人が非常に多いのです。

 2020年の春以降、ステイホームが推奨され、在宅で仕事をする人が増えましたが、あれは姿勢という観点からは、よい就労環境だとはとてもいえません。たとえば、リビングルームの床に直接座って仕事をする人。そういう姿勢をとり続けていると、腰が一気に悪くなってしまいます。

 悪い姿勢をとり続けたとき、いちばん大きな負担がかかる部位は、じつは腰なのです。骨盤が後ろに倒れ、上半身は前傾して猫背になり、腰の痛みと背中の張りが同時に発生してしまいます。首の痛みにつながることもあります。

 こうした状況は高齢者にとっても深刻です。コロナへの感染を恐れて自宅から出なかった人は、運動量が減って筋肉が萎縮し、そもそも筋肉の量も減ってしまっています。こうなると姿勢はどんどん悪化し、必ず腰に負担がかかってしまうのです。

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