逮捕されていた「伝説のボクサー」はしずちゃんの恩師だった 本人が語る刑務所でのイジメ

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 全日本選手権7連覇、国内117連勝――。数々の記録を残し、「アマ最強」ともいわれた伝説の元ボクサーが、自転車ドロで逮捕されていた。ご本人が語る、転落と再生への決意――。

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「自分としては、少しの間、“借りる”つもりだったんです」

 と頭を掻くのは、三浦国宏氏(59)。

「でも、やったことに間違いはない。言い訳のしようはありません……」

 往年のボクシングファンには懐かしい名前であろう。岩手出身の三浦氏は、左フックを武器に拓大時代にライトウエルター級の日本チャンピオンに輝き、7回続けて王座を守った。ロサンゼルス、ソウルの両五輪にも出場。アジア大会で銀メダルに輝く。通算成績は218勝28敗で、国内無敵の連勝街道を歩むなど、「アマ最強」として必ず名が挙がるボクサーだ。

本人が明かす「つまずきの始まり」

 京都府の職員などさまざまな職を経て2005年には東京・江東区にジムを開設。ここではロンドン、リオ五輪出場を目指した「しずちゃん」こと山崎静代や、モデルとしても人気を博した高野人母美(ともみ)も汗を流したのだが、そんな「名伯楽」に何があったのか。

「つまずきの始まりは、6年前、故郷に帰ったことでした」

 とご本人が続ける。

「江東区のジムでは会員が200人もいて、経営は順調でした。続けていればよかったんですが、恩師や後輩に“地元でチャンピオンを育ててくれ!”と頼まれ、岩手に帰ったんです」

 が、田舎ということもあり、会員は集まらない。スタートから経営は苦しかったという。

「半年間も赤字が続いてね。“だまされた”とジムを閉め、また東京に戻りましたよ。その後はハローワークに通い、時には愛媛まで行って、懸命に働きましたが……」

 一昨年4月、事件が起こる。

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