逮捕されていた「伝説のボクサー」はしずちゃんの恩師だった 本人が語る刑務所でのイジメ

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獄中イジメ

「その時は金が無くてね。マンガ喫茶を泊まり歩く毎日でした」

 と三浦氏。深夜、泥酔していたこともあり、寝床から寝床に移動する“足”として、つい周囲にあった鍵の掛かっていない自転車を拝借してしまったという。

「警察に声を掛けられました。あまり覚えていないのですが、その時に“コラッ、クソ親父!”と言われて、警官をドついてしまったようなんです。実はその4カ月前にも自転車の窃盗で勾留されたこともあり、公務執行妨害も含め、1年1カ月の懲役を食らいました」

 完全なKO負けである。

 小菅の東京拘置所を経て、三浦氏は、東海地方のさる刑務所に送られた。そこで徹底的にイジメを受けた――とご本人は述べる。

「私が元チャンピオンであることを知ったある刑務官に、目の敵にされましてね。規律違反をしたといっては、房の外に立たされて“行進”の練習をさせられたり、トイレに行きたいというのに許されず、尾籠な話ですが、失禁してしまったこともありました。今でもあの刑務官だけは許せません」

「しずはセンスがなくてね」

 満期の「お勤め」を終え、昨年8月に娑婆の空気を吸った三浦氏。

「刑務所で唯一良かったのは、酒を断てたこと。おかげで体重も血圧も落ち、健康になりました」

 この春には以前に住んだ京都に戻り、建築会社に就職。心機一転、新たな人生を歩んでいるという。かつての教え子について問うと、

「しずはセンスが無くてね。“芸能人のくせに!”と何度も怒ったけど、彼女のおかげで女子ボクシングの存在が世に知られましたよ。感謝しています」

週刊新潮 2022年5月19日号掲載

ワイド特集「我々はどこから来て、どこへ行くのか」より

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