英国防省の分析で判明「ロシア軍は東部戦線で大惨敗」“投入軍3分の1を失う”の重要な意味

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東部戦線は決着!?

 ハイブリッド戦では、宇宙空間とサイバー空間の活用も重要視されている。だが、本家本元のロシア軍は、衛星もネットも活用できず、無力。むしろウクライナ軍のほうがハイブリッド戦でも勝利を収めているのは皮肉だと言える。

「ロシア軍を襲った砲撃の激しさを想像すると、言葉を失ってしまいます。いきなり自分たちの周囲で、猛烈な爆発が起きたはずです。何が起きているのか分からないまま死んでいった兵士も少なくないでしょう。全くの不意打ちですから、桁違いの損害が出たとしても不思議ではありません」(同・軍事ジャーナリスト)

 冒頭に紹介したフォーブスの記事では、ロシア軍は損害を受けるほど、補充される兵員の練度が下がり、老朽化した兵器ばかりになっていくという、“負のスパイラル”が起きる可能性を指摘している。

「以前、ウクライナ軍は『東部戦線で本格的な反攻作戦を、遅くとも6月から始める』と発表しました。しかしながら、少なくとも東部戦線では、決着がついた可能性さえあります。イギリス国防省の分析が事実なら、ウクライナ軍が東部戦線で行うのは“残敵掃討”になるはずです」(同・軍事ジャーナリスト)

南部戦線が鍵

 テレ朝newsは5月17日、「『要所はヘルソン』マリウポリ“事実上の陥落”戦況にどんな影響が?専門家に聞く」の記事を配信した。

 記事では防衛省防衛研究所の高橋杉雄氏が、今後のウクライナ軍の戦略として、《ヘルソン奪還が、一番可能性が高いとみています》と指摘した。

 ヘルソンはウクライナ南部に位置し、港湾都市で要衝のオデッサに近い。ロシア軍がオデッサを執拗に攻撃しているのはご存知の通りだ。

 デイリー新潮も5月15日に配信した「ウクライナ軍に提供される榴弾砲『M777』、砲弾『エクスカリバー』の強烈過ぎる破壊力 兵器の装備でもロシア軍は惨敗」の記事で、南部戦線が戦争の鍵を握ることを指摘した。

 ウクライナ軍とロシア軍が南部で激突する可能性に注目が集まっている。

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