令和でも「宴会コンパニオン」として生きる29歳の告白 “AV出演を強要された”と言うものの…

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 こういう取材をしていると、事前に聞いていたインタビュー相手の情報と実態が食い違うことは珍しくない。今回の萌絵(29=仮名=)もその典型だ。自称・モデルで「AV出演を強要された」と連絡してきた子だったのだが……。【酒井あゆみ/ノンフィクション作家】

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「私も『蒼井そら』の事務所に強要されたんです」

 インタビューをはじめて早々、萌絵はそう切り出した。今年1月に蒼井そらが所属するAVプロダクションの代表者らが逮捕されたことを受け(後に不起訴処分)、「自分もそうだ、話を聞いてほしい」というわけだ。

 萌絵は2020年に、ネットの広告掲示板「ジモティー」で「グラビアモデル」の募集を知り連絡をとった。喫茶店で40代の「フツーのオジサン」と会い、そのまま連れていかれた先が、「蒼井そらの事務所」だったという。当然、AVなど話が違うとなるが、

「私に何か聞くわけでもなく、事務所の社長みたいな人とオジサンの2人で勝手に話を進めてて。それでAVと、脱がないイメージビデオの仕事の話を振られたんです。一応、それぞれのギャラを聞いてみたんですが、もうびっくりです。AVに出たら500万円くらいもらえると思ってたから。その場でAVは嫌、イメージビデオだったら良いって言ったんです」

 それでも事務所は食い下がった。例の“ジモティー・オジサン”から後日、

「AVの面接が決まったから」

 連絡があった。拒んだものの、「いまさら断れない」というオジサンの押しに負け、大手AVメーカー2社の面接に行ったという。面接にあたって、洋服を着た上半身の姿を事前に撮られたとも。だがその後、AVのオファーはなかった。

 これをもって「強要された」と訴えるのだが……実際に出演もしていない。話を聞きながら私は心の中でため息をついた。第一、ふつうAVメーカーの面接では事前に着衣、下着、全裸姿の写真を撮った「宣材」資料を作る。そして書類審査を経て面接、面接を通ったら晴れて「撮影(仕事)」となる。服を着た状態の写真を撮られたのみということは、プロダクションとしては商品にならないと判断したが、ダメもとでメーカーに売り込んだのだと推察される。

 はっきりいって、こんな経験をした女性は、東京だけで何万人といるはず。AV業界はシビアなのだ。単に「脱いでセックスすれば誰でも大金がもらえる」仕事ではない。今や出演する女性だって、下手な芸能人よりもレベルが高くなっている。

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