ウクライナ侵攻で西側諸国の制裁からロシア経済を守った女性の正体

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 ロシアの通貨ルーブルは5月に入り、ドルとユーロの双方に対し約2年ぶりの高値を付けた。ロシアのウクライナ侵攻に対する西側諸国の経済制裁のせいでルーブルは3月初めに過去最低水準に下落したが、3月下旬には侵攻前の水準にまで回復していた。

 ルーブルのV字回復に大きく貢献したのはロシア中央銀行(ロシア中銀)だ。

 西側諸国に米ドルとユーロの外貨準備が凍結され、為替介入を事実上行うことができなくなったロシア中銀は、投機的なルーブル売りが膨らむのを抑止する目的で政策金利を9.5%から20%へと一気に引き上げた。

 ロシア中銀はさらにロシア財務省とともに資金規制を導入し、海外貿易の売上高の80%に相当する外貨を強制的にルーブルに両替することを義務付けた。

 ロシア中銀が実行したこれらの政策の効果はてきめんだった。ルーブルは安定を取り戻し、輸入インフレの悪化は回避された。

 通貨防衛に成功したロシア中銀は、政策の優先度を経済の安定に移しつつある。

 ロシア中銀は4月8日、政策金利を17%に引き下げ、同29日にはさらに14%に引き下げた。ロシアのインフレ率は2002年以来の高水準となっているが、鈍化しつつあり、ロシア中銀は「年内にさらなる利下げの余地がある」との認識を示している。

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