清宮幸太郎が連続ホームラン…グリップ2本の“特殊バット”で覚醒は近い

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いよいよ才能が開花

「シークエンスバット」を米国から日本球界にいち早く取り入れた、野球指導のスペシャリストでトレーナーの高島誠氏は、清宮の変化について、以下のように分析している。

「シークエンスバットは、右手と左手の使い方を分かりやすくするための道具です。日本の選手は、昔から『ゴロを打て』という指導を受けていることが多く、後ろ側の手首(左打者なら左手の手首)を早く返してしまうケースが目立ちます。これでは、ホームランになるような打球を打つことは難しい。このバットを使って、打撃をすると、後ろ側の手首を返すことはできません。清宮選手の2打席連続のホームランを見ると、上手く手首を返さずに打っていました。練習の成果が出ているように見えますね」

 高島氏は直接、清宮の練習には関わっていないが、彼が自主トレを担当している、オリックス・杉本裕太郎が「シークエンスバット」を練習に取り入れて、昨年はプロ入り6年目でホームラン王を獲得するなど、大ブレイクを果たしている。

 一方、他球団の関係者は、いよいよ才能を開花しつつある清宮に“警戒感”を強めているようだ。

「2打席連続のホームランは、いずれも全力でフルスイングをしたような感じではなかったですね。それでも飛距離が出るというのは、清宮君の大きな長所ですよね。高校時代も軽く振ったようなスイングで、ホームランを打つのを何度も見ました。バットが金属から木製になって、もっと強く振らないといけないという意識があったかもしれませんが、軽く振っても、飛距離が出るんだという感覚を取り戻したのではないでしょうか。あのような感じで打てれば、相手バッテリーも警戒して四球が多くなり、清宮の気持ちも楽になるでしょう」

 プロ5年目の大砲候補、ついに覚醒なるか。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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