清宮幸太郎が連続ホームラン…グリップ2本の“特殊バット”で覚醒は近い

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伸び悩んできた“希望の星”

 BIG BOSSこと新庄剛志監督を迎えたものの、開幕33試合目に早くも自力優勝が消滅した日本ハム。主力の近藤健介が5月4日、試合前の打撃練習で右脇腹を痛めて、戦線離脱を余儀なくされるなど、苦しい状況が続いている。そんななか、日本ハムファンの“希望の星”といえば、やはり清宮幸太郎になるだろう。【西尾典文/野球ライター】

 1年目から一軍で7本塁打を放ち、まずまずのスタートを切ったものの、その後は成績を伸ばすことができず、昨年はプロ入り後初となる「一軍出場なし」でシーズンを終えている。早稲田実では、史上最多となる高校通算111本塁打を放った逸材は、2017年のドラフト会議では、7球団が1位指名で競合し、近年の高校生野手で最も高い評価を受けた。

 大きな期待を集めながら、清宮はなぜ、ここまで結果を残すことができなかったのだろうか。

「伸び悩んでいる理由は、やはり体力面ではないでしょうか。早実は都内でも屈指の強豪ですが、実はそれほど練習量は多くありません。進級のための試験が大変なことで知られており、過去にも野球部のレギュラーだった選手が進級できず、1学年遅れて大学に進学したこともあります。それに加えて、清宮が在籍していた当時は全国各地での招待試合が行われており、更に練習時間が少なかったようです。小学校時代から体も大きく、成長が早いというアドバンテージがあって、対外試合が多かったことは、高校通算のホームラン数を増やすのにはプラスでしたが、プロで戦うための体力強化という面ではマイナスだったかもしれませんね。もちろん、技術面の問題もありますが、まずはプロで1年間戦うための体力が不足していたように思います」(セ・リーグ球団の関東担当スカウト)

「シークエンスバット」

 プロ入り後の清宮は、とにかく故障に苦しんでいる。新人合同自主トレ中に右手親指を痛めると、その年の3月には腹膜炎で離脱。2年目のオープン戦ではファウルを打った際に右手の有鈎骨を骨折したほか、オフには右肘の手術を受けている。プロ野球選手に怪我はつきものだが、これだけ続くのは、そうあることではない。

 だが、プロの壁に苦しんでいた清宮だが、ようやく“変化の兆し”が見られている。オフに新庄監督の指示で大幅な減量を実行。5月5日の楽天戦では、プロ入り初となる2打席連続のホームランを放ち、改めて持ち前の長打力を見せつけた。本人は減量すれば、飛距離が出ないと心配していたそうだが、そんな不安を感じさせない見事なホームランだった。

 清宮が変わったのは、体型だけではない。昨年までのスイングとは、大きく形が異なっているのだ。その背景にあるのが「シークエンスバット」という、スイングを修正するためのトレーニング用バットだ。

 これは、通常のバットよりも短く、真ん中付近から円柱が突き出しており、その円柱からもう1本少し短めのグリップがついている。わかりやすく言うと、グリップが2本ついた特殊なバットである。清宮のような左打者であれば、右手で長いグリップを持ち、左手でもうひとつの短いグリップを握って、ボールを打つ。清宮は、今年の自主トレから「シークエンスバット」で練習する姿が見られた。

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