米司法当局に逮捕された「ヤクザ幹部・エビサワ」 実際は「栃木県の2DKアパートに住むチンケな詐欺師」と被害者が証言

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家賃は6〜7万円

「そりゃそうなるでしょう。彼はヤクザになどなったことがない人間ですから。栃木県宇都宮市郊外の、家賃が6~7万円の2DKアパートに住んでいた詐欺師です。あまりにチンケな詐欺ばかり働いていたので、逮捕歴もないはずですよ」

 こう語るのは、エビサワ容疑者と20年来の親交がある知人A氏である。A氏が示してくれた男の自宅写真は、ヤクザ幹部が住むには似つかわしくない借家だった。車も、「20年落ちのボロ車を乗り回していた」という。

 米司法当局の裁判資料とは、あまりにも隔たりがある。A氏が示したパスポートの写しによると、本名は「海老澤剛」。年齢と顔写真も起訴状と同一であった。

「彼はろくに働いたことなんかありませんよ。中学を卒業後、父親が営む木工屋の手伝いをちょっとかじったくらいですかね。それも遅刻や欠勤続きで、最後は父親から『他の職人たちに示しがつかん』と追い出された。それからは、知り合いたちに片っ端から出資話を持ちかけては、カネを騙し取る人生を続けてきたんです」

タイ王室に顔がきく

 海老澤容疑者が“仕事場”としていたのは、宇都宮市郊外のファミリーレストランだったという。

「暇だったのでしょう。朝から晩まで居着いていましたね。そこに知り合いを片っ端から呼び出しては、“投資ネタ”を持ちかけるのです。汚いTシャツに短パン姿で、とてもじゃないですがヤクザの風格なんか持ち合わせていませんよ。アイスコーヒー代すら窮しているので、いつも相手に払わせます」

 そんな男の与太話に、誰が騙されるかと思うだろう。だが、海老澤容疑者にカネを騙し取られた被害者は、A氏が知る限りだけでも20人をくだらないというのだ。A氏本人も2008年頃から10年間で、海老澤に2000万円近く騙し取られた被害者である。

「話が非常にうまいのです。私たちは所詮、田舎者でしょう。そんな私たちがまったく知りようもない外国の話を面白おかしく披露するんです。海外ではすごい人脈があって、羽振りがいいんだと。実際、彼は1年の半分近くをタイなどの外国で過ごしていましたし、タイ王室に嫁いだ日本人や地元マフィアとも付き合っていた。私も含めて何人もがタイまで連れて行かれたこともありますが、話に出てくる人物にちゃんと彼は会わせてくれるのです」

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