フードディレクター・KAORUが庭先のメジロから思い付いた「春のデザート」とは

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メジロとの適度な距離感

 2カ月近く、そっとメジロたちとの関係性を築いてきたつもりなのだが、いつまで経っても少し近づき過ぎると逃げてしまい、なかなか心を許してくれない。もう少し懐いてくれてもいいのに。しかしきっと、このただそこにいることを感じられるくらいの適度な距離感がお互いに心地よく、丁度良いのだ。詰めすぎず、遠すぎず、お互いの領域に踏み入らず。

 3月半ばになるとある日ぱたっと来なくなるであろうメジロ。次は虫を求めて山の方へ行くそうだ。七分咲きの梅の木をバックに、早春のすっきりとした朝陽の中できらりと光るみかんを食べるメジロを眺めていると、穏やかな時間がじんわりと心に広がっていく。ずっと続いたらいいのに。

 会えなくなったらこんなデザートを作ってみようかな、と妄想する。いちご、グラニュー糖、コアントロー、レモン汁を弱火で10分ほど煮る。粗熱を取り牛乳と合わせたら攪拌(かくはん)し、淡いピンク色のいちごのスープを作る。金柑のコンポートを半分に切って抹茶を練り込んだ上品な黄緑色の抹茶白玉と一緒にいちごのスープに浮かべる。

 ほんのり甘くてちょっと切ない味になりそうだ。

KAORU
フードディレクター。スタイリング、レシピ考案の他、ファッションブランドとのコラボレーションなどアーティストとしても幅広く活躍。

デイリー新潮編集部

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