朝ドラ女優の意外な顔……藤田朋子が語る「私が今もワークショップに参加する理由」

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不純な動機

藤田:私の場合は、ワークショップ出身みたいなもので、肌感が合うというか、居心地がいいんですよ。中学3年の時に英語塾に通ったんですが、それが奈良橋陽子さんの英語塾、MLSというところでした。

――奈良橋氏と言えば、キャスティングディレクター、演出家、映画監督、劇作家、作詞家として業界ではよく知られる人物だ。トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」に真田広之をキャスティングしたのも彼女だ。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」(NHK)では英語指導に名を連ね、アニー・ヒラカワのモデルとも言われる。

藤田:「カムカム」では、ヒロインのひなたが英語日誌をつけているじゃないですか。私も英語を学ぶとき、英語日誌をつけていたので、なんだか自分と重ねちゃうんですよ。奈良橋さんの英語塾は、テキストを使って英語を学ぶのとはちょっと違って、演技を通して英語を学ぶというところでした。

――その頃から女優を目指して?

藤田:子供の頃から演じるのは好きでしたが、女優になりたいと思ったことはなかったんです。実は、奈良橋さんのところへ行ったのはもっと不純でした。当時、私はゴダイゴのタケカワユキヒデさんの大ファンで、「ガンダーラ」や「モンキー・マジック」の作詞者でもある奈良橋さんに近づけば、タケカワさんに会えるのではないか!と。

――それがどうして女優に?

藤田:大学に入ってから、奈良橋さんが総監督を務めていらっしゃる「東京学生英語劇連盟」に入ったんです。東京近郊の大学生が集まる英語サークルで、そこでいわゆるワークショップを体験したことが、私の芯になっていると思います。

――別所哲也や今井雅之、川平慈英らと演技を学んだという。

夫から止められたワークショップ

藤田:台本による演技だけでなく、訓練(エクササイズ)もやっていました。例えば、フィギュアスケートの選手がバレエの稽古もしたりしますよね。演技も、台詞を発する感情を作り上げるために、役立つ訓練が必要だということを学びました。

――それが「レ・ミゼ」や朝ドラに繋がったというのだ。

藤田:もちろん、私が朝ドラヒロインに選ばれたことは今でも信じられないんですが……。今でもワークショップに行くと、あの頃に戻ったような気がするんですよ。

――とはいえ、彼女は今56歳である。

藤田:このくらいの年になると、例えば台詞をちょっと噛んでも、それが演技と思われて何も言われないこともあるんです。私はNGを出してくれる監督が好きなんですよ。その点、ワークショップでは、NGを出されるわけです。もちろん、お手本になる演技が出来れば嬉しいし。夫には“道場荒らし”になるから辞めろと言われたこともありました。

――役者の卵たちに交ざって藤田朋子がいたら、そりゃそうだろう。

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