GWフィリピン旅行を敢行した会社員が語る「ウィズコロナ海外旅行」の「面倒くさすぎる準備」と不安

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3つの書類

 水際対策を緩和している国は増えつつある。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、タイなどの選択肢から、フィリピンを選んだのは”近さ”。だが、ここに来るまでの道のりは大変なものだったという。

「今までの海外旅行とは、まるで違うものでした。準備段階で、面倒くさくなってもうやめようかと思ったくらいです」

 いったい何が違うのか。まず出国の際には、フィリピン政府が要請する3つの書類を用意しなければならない。

1、ワクチンの接種証明書(2回以上)
2、陰性証明書(PCR検査の場合は出発前48時間以内、抗原検査の場合は出発前24時間以内)
3、新型コロナウイルス感染症治療のための海外旅行保険加入証明書(最低補償額3万5000米ドル)

 一番厄介だったのは、陰性証明書だったという。

「都内に海外渡航者向けの陰性証明書を発行してくれる業者はたくさんあるのですが、値段がピンキリなんです。3万円のところもあれば、1万円のところも。PCR検査より抗原検査のほうが安いんですが、抗原検査で大丈夫なのか。しかも、抗原検査には抗原定性検査と抗原定量検査の2種類あったりして、違いがよくわからないのです」

費用がピンキリな「陰性証明書」

 ネットでリサーチを続けると、タダで取得できる「ウラ技」情報まで出てきた。

「東京都の登録業者である『木下グループ』の検査センターです。都民ならば無料で受けられるのですが、ここで発行される証明書は海外渡航者向けのものではない簡易なもの。日本語と英文が入り混じっていて、パスポートナンバーの欄もありません。ですが、氏名欄にパスポートナンバーを強引に書き込めば、それで代用できるとネット上で言われているのです。審査が緩いアメリカ渡航ではまったく問題ないとされているのですが、フィリピンでも通用するかは真偽不明で……」

 陰性証明書は、日本帰国時にも求められる。現地のクリニックなどで搭乗72時間以内に取得しておかねばならないのだが、日本政府は厳しく、抗原検査はNGでPCR検査のみ。しかも採取方法が「鼻咽頭ぬぐい液(Nasopharyngeal Swab)又は唾液(Saliva)」と限定されている。実際、それを知らずに規定外の証明書を持って空港まで向かったものの、航空会社のカウンターで「これでは帰国できない」と言われ、搭乗できなかった人が続出しているのだ。

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