捕虜4400名を射殺、市民を数千人殺害… ロシアの血塗られた「侵略史」

国際

  • ブックマーク

Advertisement

捕虜にしたポーランド人将校ら約4400名を射殺

 プーチン氏はウクライナを“ナチス”呼ばわりするが、ヒトラーによる1939年のポーランド侵攻に呼応し、同国の東半分を占領したのはソ連だった。しかも、捕虜にしたポーランド人将校ら約4400名をカティンの森に連行し、全員を射殺した。

 長年この事件を「ドイツ軍の犯行」と主張してきたロシアだが、2010年にポーランドと合同で慰霊祭を実施。ロシア側からは、当時首相だったプーチン氏が出席した。慰霊祭を取材した元朝日新聞の記者、金井和之さんが振り返る。

「うっそうと茂る森の中で、プーチン氏は慰霊碑を前にひざまずき祈りを捧げました。事件はソ連による犯罪だと認め、歴史的和解を演出したのです。あの場の雰囲気を思い出すと、今起きている事態が残念でなりません」

 真摯な反省のように見えた台詞はうそだったのか。今となってみると、こうした謝罪ですら、パフォーマンスに過ぎなかったという疑念さえ浮かぶのである。

週刊新潮 2022年4月21日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。