韓国人はなぜ「ウクライナ」に冷たいのか ゼレンスキー演説を聴いたのは国会議員の2割

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東京特派員がこぞって暴く「日本の下心」

――メディアは分かっている……。
 
鈴置:そうとは限りません。韓国メディアもかなり異様なのです。東京特派員が一斉に「ウクライナ難民を受け入れる日本政府の下心を探る」との視点で記事を書きました。

 朝鮮日報のチェ・ウンギョン特派員は「急派された日本の外相、帰国の際にウクライナ避難民20人を連れ帰る」(4月3日、韓国語版)で「新たに再編される世界秩序で影響力を発揮するため」と断じました。

 YTNのイ・ギョンア特派員はさらに踏み込みました。「【字幕ニュース】6歳の子供から66歳の老人まで…日本政府、前例のない対応」(4月6日、韓国語)で「国連の常任理事国になる狙いだ」と解説しました。

 中央日報のイ・ヨンヒ特派員は「ウクライナを名分に軍拡に走る日本」に懸念を示しました。「【グローバルアイ】日本は平和を志向しているのか」(4月8日、日本語版)です。

 ハンギョレのキム・ソヨン特派員も「難民に消極的な日本、ウクライナ避難民に異例の支援行う理由は」(4月7日、日本語版)で、理由は決め付けませんでしたが「なぜ、日本がウクライナを助けるのか」と首を傾げました。

 韓国の特派員らは「日本は何らかの下心がなければウクライナを助けるはずがない」と信じている。裏返せば、助けても得にならないウクライナを助ける必要はない、と考えている。これが韓国の本音なのです。

 戦争が起きた際には侵攻した国を全力で羽交締めにする。侵略された国に対しては可能な限り支援する――。これが普通の国のごく自然な行動です。この当たり前のことが韓国人には理解できないのです。

 普通の記者なら「日本の下心」を探るより先に「韓国がなぜ、困った国の人々に手を差し伸べないか」を掘り下げるはずなのですが……。

大統領候補も「韓国の損」

――国会を「恥さらし」と非難する韓国メディアも……。

鈴置:褒められる存在とは言えません。というか、国全体がおかしいのです。ロシアのウクライナ侵攻が始まった翌日の2月25日、大統領選挙を戦っていた左派「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補は「キャリアが6カ月の初心者政治家が大統領になり、ロシアを刺激したため衝突した」と発言しました。

 ライバルの尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏は政治経験が皆無。「戦争を起こしたゼレンスキー大統領」を使って、あてこすったわけです。「ウクライナの素人大統領」を強調して票を稼ごうとの、あきれるばかりの作戦でした。

 一方、保守「国民の力」の候補、尹錫悦氏。ウクライナ侵攻に対し懸念が高まった際の最初の発言は「経済制裁などにより、我が国の企業が被害を受けないよう徹底的に備えなければならない」でした。聯合ニュースの「尹、『NSC常任委員会を開き、ウクライナ在留国民の安全を確保せよ」(1月25日、韓国語版)が伝えました。

 落選した李在明氏も当選した尹錫悦氏も、侵略戦争をやめさせようとの意思は全く見せず、自分かせいぜい自国企業の利益を確保することに執心したのです。韓国では大統領になろうという人がこの程度ですから、国会議員や記者に世界の常識を求めても無駄なのです。

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