超高級ワインでウクライナを激怒させたプーチン ワインセラーの移動には「黄金バギー」

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1855年産ワイン

 プーチンのワインにまつわるエピソードでは、こんなのもある。

「2013年4月、安倍晋三首相(当時)がモスクワでプーチンと会談を行った際、安倍さんは日本製のスキー板を贈呈しました。その御礼にプーチンは昼食会で1855年産のワインでもてなしているのです。1855年といえば、日露が国交を樹立し、日露通好条約を締結した年です。このワインは大昔に沈没した貨物船から発見された非常に貴重なもので、ロシア国内では一部から異論が出ました」(同)

 プーチンは、ワインのためにとんでもない法律を作った。ロシアでスパークリングワインといえばお祝いの席には欠かせないもので、ロシア語で「シャンパンスコエ」と呼ばれている。2021年7月2日、「シャンパン」の名称を使えるのは、ロシア産スパークリングワインに限る、という法律を成立させたのだ。

 もともと世界貿易機関(WTO)の協定では、シャンパンの名称はフランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインしか使用できないことが決められている。ロシアの法律は、これを真っ向から否定するものだ。

 ロシアの法律制定を受けて、高級シャンパン「モエ・エ・シャンドン」を販売する仏モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、ラベルをスパークリングワインに変更してロシアに輸出した。

 まさに唯我独尊のプーチン。ウクライナ侵攻も彼には当然のことなのかもしれない。

「やりたい放題ですね。自分はなにをやっても許されると思っているのでしょう。裸の王様です」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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