泥沼連敗に故障者続出…“呪われた球団”が苦しい時の神頼み その効果は?

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

 阪神がセ・リーグでワースト記録となる開幕9連敗、“ビッグボス”新庄剛志監督が率いる日本ハムも開幕から10試合で1勝9敗と、揃って大きく出遅れた。なかなかエンジンがかからないチーム状態を心配したファンから「ベンチに清めの盛り塩をしたら」の声も上がったが、過去には盛り塩どころか、“苦しい時の神頼み”で、神主を呼んでお祓いをしてもらったチームがあるのだ。【久保田龍雄/ライター】

「シーズン中にお祓いしてもらうなんて前代未聞」と大きな話題になったのが、1998年のロッテである。

 4月終了時点で首位に立っていたロッテは、5月以降失速し、6月13日のオリックス戦で4対6と逆転負けして以来、28日の近鉄戦まで12連敗と、すっかり勝利の女神に見放されてしまう。

 さらに、6月30日の西武戦も、2点リードを8回に追いつかれ、延長12回の末、5対5と引き分けた。7月に入っても“負の連鎖”は止まらず、1日に西武、3日にダイエーと連敗し、パ・リーグワーストタイの14連敗を記録する。

“異例の神事”

 そして、7月4日のダイエー戦の試合前、“異例の神事”が行われる。地元・千葉神社の神官を、本拠地・マリンスタジアムに招き、「技冴えわたり、勝ち星を取りたまえ。多くの人々に喜びを与えたまえ」と祈願してもらった。

 念には念を入れ、ベンチを塩とお神酒で清めたが、この日も7回に4失点で逆転され、苦しい試合展開に……。だが、4対6の9回裏、ロッテは2死満塁で平井光親の左中間への同点2点タイムリーが飛び出したあと、小坂誠の敬遠で、再び2死満塁のチャンスを迎えた。

 ここでサヨナラ打が出れば、まさに“お祓い効果”がバッチリだったのだが、福浦和也が左飛に倒れ、結局、延長11回の末、7対10で敗れてしまった。

 近藤昭仁監督は「もうひと息やねえ。もうひと息でサヨナラゲームになるんだけど……」と天を仰ぎ、ついにパ・リーグ新の15連敗となった。その後、連敗記録は、NPB新記録の「18」まで伸び、7月9日のオリックス戦で27日ぶりの勝利を挙げたのは、お祓いから「5日後」のことだった。

次ページ:立て続けにアクシデント

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。