泥沼連敗に故障者続出…“呪われた球団”が苦しい時の神頼み その効果は?

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立て続けにアクシデント

 故障者続出の緊急事態に、チームの暗雲を吹き払うためにお祓いを行ったのが、2015年の楽天である。

 前年の最下位から捲土重来を期したが、5月から6月にかけて、銀次が左すね打撲、嶋基宏が肋骨骨折、藤田一也が右太もも裏肉離れで登録抹消されるなど、7選手がけがで離脱した。さらに、6月24日のオリックス戦では、試合前の練習中、平石洋介打撃コーチが左側頭部に打球を受けて病院に搬送されるアクシデントも起きてしまう。

 これだけ悪いことが立て続けに起きると、ふだんは迷信を信じない人でも心配になるというもの。

 ついに、立花陽三球団社長も「やっぱりお祓いをしないとダメだ」と意を決し、6月26日のソフトバンク戦の試合前に宮城県護国神社から神官2人をコボスタ宮城に呼んで「厄難消除・身体堅固祈願」の神事を催行する。

 立花社長をはじめ、大久保博元監督、首脳陣、選手ら約70人がグラウンドに集まり、約15分間にわたって祈りを捧げたが、この日の試合も先発・辛島航が2回4失点でKOされ、1対5と完敗。

 翌日、再検査を受けた銀次が左腓骨を不全骨折していたことも判明し、復帰がさらに遅れるなど、悪い流れを変えられず、チームは2年連続のテールエンドでシーズンを終えた。

カーネル・サンダース人形の“呪い”

 最後に取り上げるのは阪神だ。

 阪神といえば、1985年の優勝時に、熱狂したファンが道頓堀川に投げ込んだカーネル・サンダース人形の“呪い”が有名である。その人形が川から引き揚げられた2009年には、シーズン中の6月25日に真弓明信監督立ち合いの下、その“呪い”を解くために、大阪市の住吉大社でお祓いの儀式も行われている。

 ほかにも、金本知憲監督1年目の2016年シーズン中にも、本拠地・甲子園で連敗脱出のお祓いを行っている。同年の阪神は、5月から3ヵ月連続で負け越し、7月18日からシーズン2度目の5連敗を記録するなど、最下位に低迷していた。

 7月24日の広島戦で逆転勝ちし、連敗はストップしたものの、甲子園では6月28日にDeNAに5対3で勝利したのを最後に、7連敗中と依然悪い流れが続いていた。

 そんな“負の連鎖”を断ち切るべく、6日ぶりの本拠地開催となった7月26日のヤクルト戦の試合前、神主とみられる女性が一塁側ベンチ前に姿を見せて、神祭用具を左右に振り、厳かな儀式を行った。その後、球団施設内に移動して、監督室なども清めた。

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